弘前大学農学生命科学部 Rice & Genetics

 

食卓への多様性(詳細は講義にて)

 

シークヮーサーの葉緑体ゲノムマップを作成しました.

 

 

ベトナム野生イネ調査を再開しました.

 

ヒシの論文がでました

 

Ecology and Evolutionに6000年におよぶ人為淘汰による栽培ヒシの起源について掲載されました

著者 Dinh Thi Lam, Taro Kataoka, Hiroki Yamagishi, Guoping Sun, Tetsuro Udatsu, Katsunori Tanaka, Ryuji Ishikawa

雑誌名Ecology and Evolution (Wiley 出版)

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ece3.10925

2024年2月9日掲載済み

 

江蘇省太湖で栽培されるヒシ.遺跡調査中の一コマはこちら

遺跡とネコ,浙江省田螺山遺跡の出土物:ハート型のヒシ核)

カジノキの完全長葉緑体ゲノムを決定しました.作図はOGDRAWです.東大の渋谷綾子先生の科研プロジェクトですすめています.作図方法は作物育種学Iの植物の細胞質ゲノムで講義します.MIG-seqの活用は作物育種学IIで講義にとりいれます.

 

 

 

今年の高温で被害を受けたコメ :今年は青森県においても異常高温でした.そのため,上記の様な胴割れ粒が高頻度で出現しています(詳細はこちら).右はCT-Scanによる胴割れ耐を生じた被害粒(人文社会科学部の片岡太郎先生との共同研究により撮影したもの).2012年にもこのような変異が大きな問題となりました.2022年など通常は90%以上の一等米が2012年には80%,今年は69%と異常な割合になっています.これは農家さんの収入にも大きな影響を及ぼします.当研究室で品種申請した弘大ライケット1号は17%程度の胴割れ,まっしぐらやつがるロマンは42〜54%(当研究室での弘前市内での栽培,3穂平均)となっています.今後高度耐性を有する多収品種開発をすすめます.

 

 

RNA編集に関する遺伝子の解析:PPR,MORF遺伝子群の変異体の解析が進んでいます.これら遺伝子にトランスポゾン挿入があり,変異体が得られています.2023年の日本育種学会第144回大会(神戸大学)で発表しました.これら遺伝子は通常はミトコンドリアや葉緑体ゲノムの特定遺伝子群を標的としてC-Uに編集することでタンパク質の翻訳を変更させます.これらの異常が葉緑素異常や不稔などの表現型を誘導します.最近はこれら遺伝子を利用することでゲノム編集を行える可能性について議論されています.新規PPR遺伝子による変異の詳細はこちらOsMORF2遺伝子における挿入変異はこち

 

多収品種候補に巨大胚(右:油分やGABA含有量の増加が期待)を得ることができました!全ゲノム配列情報から1塩基置換によるアミノ酸変異によるものであると予測されました.現在,3年生がCAPSによる確認作業を行います.

 

*遊離脂肪酸含有量の高いコメの開発(胚乳における高脂肪酸系統の固定. LOX3と組み合わせて脂肪酸の加工用品種に利用できるか新規遺伝子の同定を進めます

 

*短穂自然変異体を固定して解析を始めました.詳細はこちら

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作物育種学研究室では,作物遺伝資源の評価と共に育種的利用を行う研究を行っています.主な対象作物はイネです.遺伝資源の調査から育種的利用のための遺伝子機能解析も行っています.

ゲノム情報を利用した遺伝資源の多様性評価のためのマーカー開発,在来種や遺伝資源から単離した遺伝子の同定,自然突然変異で生じた育種資源である変異体の原因遺伝子の同定,それに関与するトランスポソン(転移因子挿入サイト)の簡易選抜システム開発をすすめています.RNA編集に関わるOsMORF2挿入変異と新規PPR遺伝子の機能喪失を生じる変異体でした.神戸で開催された日本育種学会で発表しました.詳細はこちら

その他にも琉球諸島で栽培されたと考えられるシークヮーサー,東アジアで栽培化されて日本まで伝播したヒシ,作物ではないものの広く日本人に利用されたカジノキ(和紙の原材料)について研究しています.

役立つリンクサイト

美味しい一枚!

DNAマーカーなどの基礎情報

DNAと次世代シークエンサー

電子顕微鏡と細胞構造の観察

胚乳変異

電子顕微鏡での組織観察:胚乳のデンプン結晶構造

トランスポゾンとキャンディーストライプ

栄養繁殖と種子(バナナと倍数性バナナの種子パイナップルの種子

sugary様変異体も得られました.

*固定系統,多収型粉質米はこちら

 

現在行っている研究の概要:

*オーストラリアの野生イネから長粒性遺伝子の単離をすすめ,種分化についても検証しています.

オーストラリアの遺伝資源

遺伝資源の現地調査123カナナラ調査

オーストラリアの野生イネ

アフリカのイネ

 

*技術の社会的実装へ”水稲品種開発”:

 

*トランスポゾンによる遺伝子機能の解析:

 

*シークヮーサープロジェクト

この飾りは大宜味村において2023年1月22日に開催された産業祭りでのシークヮーサーを含めた農産物の展示です.

*シークヮーサーの開花調査にいってきました.1月の完熟期(動画).その他動画などはこちらです.シークヮーサープロジェクトはこちら.下は4月の開花期です.特殊な系統は1月にも開花をしていました.良い匂いが国頭村奥地区全体に漂っていました.すがすがしくまた甘い匂いに満ちています.

 

*遺伝資源調査

*遺跡とイネ