ラオスでもパイナップルを栽培しています.
イネ遺伝資源調査のおり,パイナップルの栽培圃場を見る機会がありました.

実を収穫するとその株は掘り起こしてしまいます.ただ,その茎の一部をよくみると新たな芽がでてきています.

 

 

その部分を古い株から取り外して成形します.

よく見るとすでに根がでています.

 

それを植え付けると,新しい圃場のできあがりです.これは栄養繁殖で増えるパイナップルならではの栽培方法です.実の上の部分でもできるらしいですが,成長は下の方がよいとのことでした.

 

パイナップルは栽培で種子を失って栄養繁殖になったといわれています.あのクック船長もオーストラリア大陸探索のために,「金星の皆既日食調査」といつわってブラジルに行った際にはパイナップルを積み込んで,マゼラン海峡を越えていったことでしょう.そのときも栄養繁殖で栽培されていたでしょうし,種子は既に失っていたことでしょう.

では,本当にパイナップルの種子はないのでしょうか.

実は近縁種が沖縄の島田さん(シークヮーサー調査でお世話になった奥地区のもと区長さん)の圃場にあって見せていただきました.さすがパイナップルの品種育成もされたかたです.

近縁種だけあって葉は鋸歯を持って鋭いとげになっていました.

その身を割ってみ

ると,内部には・・・・・

黒く見えているところが種子です.皮の凹凸は花です.その内部に受精して実った種子ができているのです.もちろん果肉の方も甘酸っぱくて美味しくいただきました.