アジアの遺跡にはイネに関わる遺物が多数みられます.アユタヤもその一つをみることができます.イネの道(渡部忠世 NHKブックス 1977)では遺跡のレンガの中に残っている籾の圧痕のサイズを計測することで粒形の異なるイネ在来種を調査したことが報告されています.遺跡は年代が分かるため,その遺跡が作られるときに周辺にあったイネの種類を特定することができるのです.その痕跡をたどって,4世紀から19世以降にどのような変遷があったかをたどっています.

イネには在来種の系統分化によってさまざまな粒形の系統が地域ごとにみられます.上の写真は温帯日本型と熱帯日本型の品種を示しています.

さて,アユタヤの仏像はというと..

 

 

アユタヤの遺跡は,仏教とヒンドゥー教の国間での争いで仏像が破壊されたものです.よく見ると...

籾の跡がみられます.なぜこのような籾跡がつくのでしょう.それをみたのがミャンマーでの野生イネ調査のときでした.

 

車がある村の中に入ったときに大きな音量で何かを説明していました.ガイドによると新しいお寺を作るための寄進を呼びかけているとのことでした.

その前には大量の新しいレンガ.

 

村人たちが寺の前の土を掘り下げています.それらの土は型枠にいれられてレンガになります.

よくみると籾が大量に混ぜられています.補強のためにいれているようです.残念なことにネコはどこでもいたずらずき.わざわざレンガを上をあるいていくとは...まさかお寺のどこかにつかわれなければいいですが..ここではパゴタと呼ばれる寺院が作られるようです.