世界中で戦争ならびに気候変動による食糧供給や資材価格が高騰しています.日本では食糧自給率が低く,コムギもほぼ輸入に頼っています.日本でも近年は良質なコムギの育種が進んでいますが梅雨があることにより,収穫期の麦秋における品質低下が生じます.イネはもっぱらそのまま炊いて食べますが米粉の利用に注目が集まっています.

当研究室では昨年度,弘前大学ライケット1号を品種申請しました.これから農水による認定に関わる審査に入ります.この品種は温暖化に対応する胴割れ耐性品種として育種しました.既に青森県で香り米として育種されていた恋ほのかが胴割れ耐性を示すことが産技センターによる調査でわかっていました.恋ほのかは香り米であることと,その細粒性が多収にならないことなどの弱点もあったことから,非香り米として,かつ胴割れ耐性を活かした品種改良をしました.

 

この品種はやや粒が小さいことから新たに粒形を改良した系統や胚乳形質を改良した低アミロース系統(粘りが良い系統)やモチ系統の育種を進めています.