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参考:人類の至宝 : オイラーの公式

(あんたの公式ではなく)オイラーの公式とは,

eiθ=cosθ+isinθ


テイラー展開(マクローリン展開)によるオイラーの公式の証明

指数関数の肩が実数だろうが虚数だろうが,テイラー展開(x=0  のまわりの展開なので特にマクローリン展開ともいう)はできるので

f(x)=f(0)+f(x)x+12f(0)x2++1n!f(n)(0)xn+

の公式に従って,

ex=1+x+12x2+13!x3+14!x4+

x=iθ を入れると

eiθ=1+iθ+12!(iθ)2+13!(iθ)3+14!(iθ)4+15!(iθ)5+=112!θ2+14!θ4+i{θ13!θ3+15!θ5}

一方,cosθ,sinθ のテイラー展開が

cosθ=112!θ2+14!θ4

sinθ=θ13!θ3+15!θ5

であることを使うと,以下のように書けることがわかる。

eiθ=cosθ+isinθ

これこそが,人類の至宝!オイラーの公式である!

オイラーの等式

θ=π のときのオイラーの公式は,以下のようになり,

eiπ=cosπ+isinπ=1eiπ+1=0

特にこの式をオイラーの等式と呼んでいる。オイラーの等式の何がすごいかというと

  • ゼロ 0,単位元 1 という整数のもっとも基本となる数
  • 無理数の代表選手,円周率 π,自然対数の底 e
  • そして虚数単位 i

という役者が,加法,乗法,指数関数によって見事に結び付けられているということ!

オイラーの公式からみた三角関数と双曲線関数の関係

オイラーの公式eiθ=cosθ+isinθ と, θθ にした eiθ=cos(θ)+isin(θ)=cosθisinθ を足したり引いたりすると,以下のように書けることがわかる。

cosθ=eiθ+eiθ2sinθ=eiθeiθ2i

一方,双曲線関数は以下のように定義されていた。

coshx=ex+ex2sinhx=exex2

三角関数や双曲線関数の変数が虚数でもいいのだと拡張すると,

cosh(iθ)=eiθ+eiθ2=cosθsinh(iθ)=eiθeiθ2=isinθcos(ix)=eiix+eiix2=ex+ex2=coshxsin(ix)=eiixeiix2i=iexex2=isinhx

これらが,三角関数と双曲線関数のアイがある関係である。

三角関数と双曲線関数は,ただまぎらわしいほどに似た表記なだけでなく,密接な(アイのある)関係なのだということがわかると思う。

 

ありがとう! オイラーの公式!!