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参考:常微分が定積分の中に入ると偏微分になる理由

$$ \frac{d}{da} \int_0^{\infty} e^{-a x^2} dx = \int_0^{\infty} \frac{\partial}{\partial a} e^{-a x^2} dx$$ のように常微分 \(\displaystyle \frac{d}{da}\) が定積分の中に入ると偏微分 \(\displaystyle\frac{\partial}{\partial a} \) になるのはなぜ?


定積分 \(\displaystyle I = \int_0^{\infty} e^{-a x^2} dx \) は \(x\) で定積分しているので,変数 \(x\) の依存性はもはやない。あるとすれば,被積分関数の中にある \(a\) は残っているので,\(I\) は \( a\) だけの関数ということになる。したがって,\(a\) の微分は1変数微分だから常微分 \(\displaystyle \frac{d}{da}\) である。

この微分が定積分の中にはいると,被積分関数には \(a\) のほかに積分変数 \(x\) がまだ元気な顔をしている。そのため,2変数 \(a, \ x \) あるうちの \(a\) についての微分であることをはっきりさせる必要があり,定積分の中にはいると微分は偏微分 \(\displaystyle \frac{\partial }{\partial a}\) になる,と覚えておこう。