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変数分離法

変数分離形の微分方程式とは,以下のような形の微分方程式。

\[ \frac{dy}{dx} = X(x) \, Y(y) \]

この形の微分方程式は,変数分離法と呼ばれる方法によって解くことができる。簡単に言うと,\(y\)を含むものは全て左辺に,\(x\) を含むもの(\(y\) を含まないもの)は全て右辺にもっていきます。

まず,

\[ \frac{1}{Y(y)} \frac{dy}{dx} = X(x) \]

次に「両辺に \(dx\) と\(\int\) をかけます」。(高校では\(\frac{dy}{dx}\) は「分数ではない」と習ったと思いますが,大学では「分数だと思ってよい」です。)

\[
\int \frac{dy}{Y(y)} = \int X(x) \, dx
\]

変数分離法で例題を解く

例題を変数分離法で解いてみます。自然対数を $\ln $  と書いている場合もあります。$\ln y = \log_e y = \log y$ です。

\[ \frac{dy}{dx} = – 2 x\, y \]

\[ \frac{dy}{y} = -2 x \, dx \]

\[\int \frac{dy}{y} = – 2 \int x \, dx \]

\[ \ln y = – x^2 + C \]

\[ \therefore \ y = e^{-x^2 + C} = e^C\, e^{- x^2}\]

\( e^C\) を新たに \(C\) とおきなおすと(任意の積分定数であるので。混乱しそうな人は \(e^C \equiv C’ \) とでも書きましょう。),答えは

\[ y = C\, e^{-x^2} \]