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偏導関数

2変数関数 \( z = f(x, y) \) の偏微分 \(\displaystyle \frac{\partial f}{\partial x}, \ \frac{\partial f}{\partial y} \) の定義のまとめ。


偏微分の定義

1変数関数 \( y = f(x) \) の微分 \(\displaystyle \frac{df}{dx}\) は以下のように定義していたのであった。

$$ \frac{dy}{dx} = \frac{df}{dx} \equiv \lim_{\Delta x \rightarrow 0}\frac{f(x+\Delta x) – f(x)}{\Delta x}$$

同様にして,2変数関数 \(z = f(x, y) \) の \(x\)-偏導関数を求める(つまり, \(x\) で偏微分する)とは,\(x\) 以外の変数をあたかも定数であるとして \(x\) のみを\(\Delta x\) だけ微小変化させた増加率の極限であり,以下のように定義される。

$$\frac{\partial z}{\partial x} = \frac{\partial f}{\partial x} \equiv \lim_{\Delta x \rightarrow 0} \frac{f(x + \Delta x, y) – f(x, y)}{\Delta x} $$

また,2変数関数 \(z = f(x, y) \) の \(y\)-偏導関数を求める(つまり, \(y\) で偏微分する)とは,\(y\) 以外の変数をあたかも定数であるとして \(y\) のみを\(\Delta y\) だけ微小変化させた増加率の極限であり,

$$\frac{\partial z}{\partial y} = \frac{\partial f}{\partial y} \equiv \lim_{\Delta y \rightarrow 0} \frac{f(x , y+ \Delta y) – f(x, y)}{\Delta y} $$

偏微分記号の読み方

\(\partial\) の読み方については,日本語変換システム的には「でる」とか「らうんどでぃー」とか書いて変換してやれば出てくる。

\( \displaystyle \frac{\partial f}{\partial x} \) の読み方は,各者それぞれの言い回しがあると思うが,例えば私の隣の部屋にいる I 先生にならうと

「デル エフ デル エックス」

これが一番読みやすい。他に「ラウンドディー エフ ラウンドディー エックス」と読めないこともないが,長くて舌をかみそうなので,「ディー」の部分を省略して「ラウンド エフ ラウンド エックス」と読む場合もある。

参考までに, \(\LaTeX \) 表記では

\frac{\partial f}{\partial x}

と書くので,「パーシャル エフ パーシャル エックス」と読む人もまれにいるかも知れない。

くどいようだけど,1変数関数の微分 \(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) は高校で「ディー ワイ ディー エックス」と読み,分数みたいに「ディー エックス ぶんの ディー ワイ」とは読まない,と習ったと思います。偏微分も同様に「分子」(横棒の上の部分)から読んでいきます。