最も簡単な定数係数2階線形微分方程式 \(y^{”} + y = 0\) と \(y^{”} -y = 0\) を解く。
\(y^{”} + y = 0\)
解くべき微分方程式 \(y^{”} + y = 0\) をちょっと移項してやって,以下の方程式を解くということにする。$$ y^{”} = -y$$
未知関数\(y(x)\) がある。この\(y\)を\(x\) で2階微分すると,自分自身にマイナスの符号がつく \(-y\) になった。さて\(y\) は何でしょう?という問題。
これまでの人生のなかで皆さんが蓄えた全ての関数の知識から,2階微分したら自分自身にマイナスがついたものになる関数を探し出してください。
すると… (参考:2階微分すると自分自身にマイナスがつく関数)
\( y_1 = \cos x\) と,\(y_2 = \sin x\) が見つかる!(ハズ)
実際に計算してみると,
$$y’_1 = -\sin x, \quad y^{”}_1 = -\cos x = -y_1$$
確かになっている。\(y_2\) についても同様に確かめられる。
なので,今後は \( y^{”} = -y \) という微分方程式をみたら,脊髄反射で
「2つの解は \(\cos x\) と\(\sin x\) だーっ!」
と叫んでください。
このように,2階線形微分方程式の1次独立な解は2つ。一般解はこれらの線形和で書けるので,任意定数 \(C_1, C_2\) (これが2つの積分定数になる)を使って以下のように書ける。
$$ y(x) = C_1 \, y_1 + C_2\, y_2 = C_1\, \cos x + C_2 \, \sin x$$
2階微分方程式の解には一般に積分定数が2つ。それがこれら \(C_1, \, C_2\)。
\(y^{”} -y = 0\)
解くべき微分方程式 \(y^{”} -y = 0\) をちょっと移項してやって,以下の方程式を解くということにする。$$ y^{”} = y$$
未知関数\(y(x)\) がある。この\(y\)を\(x\) で2階微分すると,自分自身になった。さて\(y\) は何でしょう?という問題。
これまでの人生のなかで皆さんが蓄えた全ての関数の知識から,2階微分したら自分自身になる関数を探し出してください。
すると… (参考:2階微分すると自分自身になる関数)
双曲線関数 \(\cosh x\) と \(\sinh x\) (あるいは,\( y_1 = e^x\) と,\(y_2 = e^{-x}\))が見つかる!(ハズ)
なので,今後は \( y^{”} = y \) という微分方程式をみたら,脊髄反射で
「2つの解は \(\cosh x\) と\(\sinh x\) だーっ!」
と叫んでください。
あるいは,脊髄反射で
「2つの解は \(e^x\) と\(e^{-x}\) だーっ!」
と叫んでもよろしいです。
このように,2階線形微分方程式の1次独立な解は2つ。一般解はこれらの線形和で書けるので,任意定数 \(C_1, C_2\) (これが2つの積分定数になる)を使って以下のように書ける。
$$y(x) = C_1 \, y_1 + C_2\, y_2 = C_1 \cosh x + C_2 \sinh x$$
あるいは
$$ y(x) = C_1 \, y_1 + C_2\, y_2 = C_1\, e^x + C_2 \, e^{-x}$$
\(y^{”} = 0\)
2階微分してゼロということは,たかだか $x$ の1次までの関数だということだから
$$y = A + B x$$