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斜方投射をラグランジュの未定乗数法で

斜方投射の最大水平到達距離をラグランジュの未定乗数法を使って求める練習問題。

地上高ゼロからの斜方投射をラグランジュの未定乗数法を使って

必要な式はすでに「斜方投射を陰関数定理で」のページにまとめてある。要は,

$$f(\tau, \theta) \equiv y = v_0\, \sin\theta\cdot \tau -\frac{1}{2} g\,\tau^2 = 0$$

の拘束条件のもとで,水平到達距離

$$g(\tau, \theta) \equiv \ell = v_0\, \cos\theta \cdot \tau$$

を最大にする $\theta$  は?という問題。

ラグランジュの未定乗数法

\begin{eqnarray}
F(\tau, \theta) &\equiv& g(\tau, \theta) + \lambda\, f(\tau, \theta) \\
&=& v_0\, \cos\theta \cdot \tau + \lambda\left( v_0\, \sin\theta\cdot \tau -\frac{1}{2} g\,\tau^2\right) \\ \ \\
\frac{\partial F}{\partial \tau} &=& v_0\,\cos\theta + \lambda\,\left(v_0\,\sin\theta -g\,\tau \right) = 0 \tag{1} \\
\frac{\partial F}{\partial \theta} &=&  -v_0\,\sin\theta\cdot\tau + \lambda\, v_0\,\cos\theta\cdot\tau = 0 \tag{2} \\
\frac{\partial F}{\partial \lambda} &=&v_0\, \sin\theta\cdot \tau -\frac{1}{2} g\,\tau^2 = 0 \tag{3}
\end{eqnarray}

連立方程式の解

まず (2) 式より

$$\lambda = \frac{\sin\theta}{\cos\theta}$$

これを (1) 式に代入して

\begin{eqnarray}
v_0\,\cos\theta + \frac{\sin\theta}{\cos\theta}\cdot\left(v_0\,\sin\theta -g\,\tau \right) &=& 0 \\
v_0\,\cos^2\theta + v_0\,\sin^2\theta -g\,\tau\,\sin\theta &=& 0 \\
\therefore\ \ \sin\theta &=& \frac{v_0}{g\,\tau}
\end{eqnarray}

これを (3) 式に代入すると,

\begin{eqnarray}
v_0\, \frac{v_0}{g\,\tau}\cdot \tau -\frac{1}{2} g\,\tau^2 &=& 0 \\
\therefore\ \ \tau &=& \frac{\sqrt{2}  v_0}{g} \\ \ \\
\therefore\ \ \sin\theta &=& \frac{v_0}{g\,\tau} = \frac{1}{\sqrt{2}} \\
\therefore\ \ \theta &=& \frac{\pi}{4}
\end{eqnarray}

となり,水平到達距離が最大となる角度は $\displaystyle \frac{\pi}{4}$ ラジアンすなわち $45^{\circ}$ であることがわかった。

高さ $h$ からの斜方投射も同様に…

$$f(\tau, \theta) \equiv y =h+ v_0\, \sin\theta\cdot \tau -\frac{1}{2} g\,\tau^2$$

とすれば,高さ $h$ からの斜方投射の問題もラグランジュの未定乗数法を使って解いて,水平到達距離が最大となる角度を求めることができると思いますので,やってみてください。