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Return to 静磁場:電流密度から直接静磁場を求める

参考:静磁場を求める際に使った積分を人力で求めてみる

静磁場を求める際に使った積分は Maxima を数学公式集として使うことで確認できているが,Maxima で解析的に積分できることがわかれば,人力でも解いてみたくなるもの。でもほとんどは「静電場を求める際に使った積分を人力で求めてみる」シリーズですでにやっている。

直線電流による磁場で使った積分

1{x2+y2+(zz)2}32dz=2x2+y2

これは「静電場を求める際に使った積分を人力で求めてみる:第1話」で

1(a2+Z2)32dZ=2a2

となることを説明済み。

ソレノイドを流れる電流による磁場で使った積分

zz((xx)2+(yy)2+(zz)2)3/2dz=0

これは,

zz((xx)2+(yy)2+(zz)2)3/2dz=Z((xx)2+(yy)2+Z2)3/2dZ

とすれば,被積分関数は Z について奇関数だから bbdZ はゼロとなることは明らか。

もう一つの積分

02πdϕa2aysinϕaxcosϕx2+y2+a22axcosϕ2aysinϕ={2π(a>x2+y2)0(a<x2+y2)

も「静電場を求める際に使った積分を人力で求めてみる:第2話」の「y0 の一般の場合の考察」の項をみれば(x2+y2 はそのままにし,ra と置き換えて)

02πdϕx2+y2(xacosϕ+yasinϕ)x2+y2+a22(xacosϕ+yasinϕ)={0(a>x2+y2)2π(a<x2+y2)

となることがわかっているので,

02πdϕa2aysinϕaxcosϕx2+y2+a22axcosϕ2aysinϕ=02πdϕ{1x2+y2(xacosϕ+yasinϕ)x2+y2+a22(xacosϕ+yasinϕ)}=2π02πdϕx2+y2(xacosϕ+yasinϕ)x2+y2+a22(xacosϕ+yasinϕ)={2π0=2π(a>x2+y2)2π2π=0(a<x2+y2)

つまり,めでたく

02πdϕa2aysinϕaxcosϕx2+y2+a22axcosϕ2aysinϕ={2π(a>x2+y2)0(a<x2+y2)

となる。