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高階導関数

2階導関数

\( y = f(x)\) の導関数は以下のように書くのであった。
$$y’, \ \  \frac{dy}{dx}, \ \  f'(x) , \ \   \frac{df}{dx} $$
導関数の導関数を「2階導関数」と言い,以下のように書く。
$$y^{”}, \ \  \frac{d}{dx}\frac{dy}{dx} = \frac{d^2 y}{dx^2}, \ \  f^{”}(x) , \ \   \frac{d^2f}{dx^2} $$

2階微分すると自分自身にマイナスがつく関数

三角関数を2階微分すると…

\begin{eqnarray}
\left( \sin x \right)’ &=& \cos x \\
\left( \sin x \right)^{”} &=& \left( \cos x \right)’ = -\sin x
\end{eqnarray}

\begin{eqnarray}
\left( \cos x \right)’ &=& -\sin x \\
\left( \cos x \right)^{”} &=& -\left( \sin x \right)’  =  -\cos x
\end{eqnarray}

つまり,$\sin x, \ \cos x$ を $x$ で2階微分すると,自分自身にマイナスがついた答えになる。これを覚えておいてください。

2年生の「理工系の数学C」の2階線形常微分方程式の項で,「2階微分したら自分自身にマイナスがつく関数ってなーんだ?」と質問するので,そのときは脊髄反射で「$\cos x$  と $\sin x$ だーっ!」 と叫ぶように。

2階微分すると自分自身になる関数

双曲線関数を2階微分すると…

\begin{eqnarray}
\left( \sinh x \right)’ &=& \cosh x \\
\left( \sinh x \right)^{”} &=& \left( \cosh x \right)’  = \sinh x
\end{eqnarray}

\begin{eqnarray}
\left( \cosh x \right)’ &=& \sinh x \\
\left( \cosh x \right)^{”} &=& \left( \sinh x \right)’ = \cosh x
\end{eqnarray}

つまり,$\sinh x, \ \cosh x$ を $x$ で2階微分すると,自分自身になる。これを覚えておいてください。

2年生の「理工系の数学C」の2階線形常微分方程式の項で,「2階微分したら自分自身になる関数ってなーんだ?」と質問するので,そのときは脊髄反射で「$\cosh x$  と $\sinh x$ だーっ!」 と叫ぶように。

あるいは,指数関数 $e^x$ や $e^{-x}$ を2階微分すると…

\begin{eqnarray}
\left( e^x\right)^{”} &=& \left( e^x \right)’  = e^x \\
\left( e^{-x}\right)^{”} &=& -\left( e^{-x} \right)’  = e^{-x}
\end{eqnarray}

なので,脊髄反射で「$e^x$  と $e^{-x}$ だーっ!」 と叫んでもよい。

高階(一般に \(n\) 階)導関数

高階(一般に \(n\) 階)の導関数も同様にダッシュ(または欧米なまりでプライム) \({}’\) を \(n\) 個書くのは大変なので)以下のように書く。

$$y^{(n)}, \ \  \frac{d^n y}{dx^n}, \ \  f^{(n)}(x) , \ \   \frac{d^n f}{dx^n} $$

参考:一般化されたライプニッツルール

微分法の公式 3. で,関数の積に関する微分が以下のようになることを示した。

$$\left\{ f(x)\, g(x) \right\}’ = f'(x)\, g(x) + f(x)\, g'(x)$$

2階微分は,
\begin{eqnarray}
\left\{ f(x)\, g(x) \right\}^{”} &=& \left\{ f'(x)\, g(x) + f(x)\, g'(x) \right\}’\\
&=& f^{”}(x) g(x) + f'(x) g'(x) + f'(x) g'(x) + f(x) g^{”}(x) \\
&=& f^{”}(x) g(x) + 2 f'(x) g'(x) + f(x) g^{”}(x)
\end{eqnarray}

3階微分は,
\begin{eqnarray}
\left\{ f(x)\, g(x) \right\}^{\prime\prime\prime} &=& f^{\prime\prime\prime}(x) g(x) + 3 f^{\prime\prime}(x) g'(x) + 3 f'(x) g^{\prime\prime}(x) +f(x) g^{\prime\prime\prime}(x)
\end{eqnarray}

それぞれの項の前の系数は \( (a+b)^2 \) や \( (a+b)^3 \) の各項の系数と同じ「2項係数」になっている。このことを一般化されたライプニッツルールと呼んでいる。