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Return to ローレンツ力:電磁場中を運動する荷電粒子が受ける力

一様な静磁場中の荷電粒子の運動

電場はないとして E=0,磁場によるローレンツ力を受けた荷電粒子の運動方程式は,

mdvdt=qv×B

両辺に v の内積をかけて

mvdvdt=qv(v×B)=qB(v×v)=0  ddt(12mvv)=0  12mvv=const.E

一様な静磁場の向きを表す単位ベクトル

nBBB=BB,dndt=0

を使って速度ベクトル vn に平行なパート v// と垂直なパート v に分解する。

v//(vn)nvvv//

運動方程式に n の内積をかけて

ndvdt=qmn(v×B)=qmBv(B×B)=0  ddt(vn)=0  v//=const.V//  r//=tv//dt=V//t

ここで,簡単のために初期条件を t=0r//=0 とした。

速度ベクトル vn に平行なパート v// は定ベクトルであることがわかった。

次に,dv//dt=0 を使うと,運動方程式は

dvdt=qmv×Bd2vdt2=qmdvdt×B=(qm)2(v×B)×B=(qm)2{(BB)v(Bv)B}=(qBm)2v  v=Acosωt+Bsinωt,ωqBm  r=tvdt=AωsinωtBωcosωt

初期条件を t=0r=R,v=V とすると,

v=VcosωtωRsinωtr=Vωsinωt+Rcosωt

となるが,運動エネルギーが一定であることから vv も一定であることになり,

|V|=ω|R|,VR=0

であることもわかる。なぜかというと,

vv=VVcos2ωt+ω2RRsin2ωt2ωVRsinωt cosωt

はいつでも一定であるので,

vv=VVfor  t=0=ω2RRfor  ωt=π2=12VV+12ω2RRωVRfor  ωt=π4

となるから。

最終的に B の向きを z 軸にとり,

V//=(0,0,V//)V=(0,V,0)R=(Vω,0,0)r//=(0,0,z)r=(x,y,0)

とすれば,

x=Vωcosωty=Vωsinωtz=V//t

一様な静磁場中では,荷電粒子はらせん軌道を描いて運動することがわかる。