マクスウェル方程式:電磁気学の基礎方程式
電磁気学の基礎方程式であるマクスウェル方程式は以下のような4組の方程式である。
書き方としては等号の左辺には場の量,右辺には物質に付随する電荷や電流を表す量をおくことにする。こうしておけば,電荷の保存則をあらわす連続の式
も容易に導ける。
電磁気学諸量の説明
電場に関する量の定義
- 電気力線: 電場の様子を視覚的に表現するために導入された仮想的な線。(実際に目に見えるわけではない。)
以下の定義から,電気力線は正の電荷から湧き出て,負の電荷に吸い込まれる。正電荷から負電荷への向きを持った線であるとイメージする。
- 電荷:
や などと書く。単位は (クーロン)
電気力線の湧き出し口(マイナスの場合は吸い込み口)。
(クーロン)は湧き出す(マイナスの場合は吸い込まれる)電気力線の本数を表す単位。もちろん の電荷から電気力線が 本 だけ湧き出るというよりは 単位の電気力線が湧き出る, の電荷からは の 倍の本数の電気力線が湧き出る,という相対的な本数の多い少ないを表すと考える。 - 電荷密度:
(ギリシア文字のロー)と書く。単位は
単位体積あたりの電荷。
(ここでの「密度」とは体積密度の意味。) - 電流:
などと書く。単位は (アンペア)
ある点または面を単位時間に通過する電荷の量のこと。 - 電流密度:
(ベクトル)と書く。単位は
ベクトル の向きが電流の流れる向きを表し,その大きさ が に垂直な単位面積を通過する電流(単位時間あたりの電荷の流れ)を表す。
(ここでの「密度」とは面密度の意味。)小文字 は 軸方向の基本ベクトルと混同するので大文字 で表すことにする。 - 電束密度:
(ベクトル)と書く。単位は
電束とは電気力線の束(たば)。ベクトル の向きが電気力線の向きを表し,その大きさ が に垂直な単位面積を貫く電気力線の本数を表す。
(ここでの「密度」とは面密度の意味。)
磁場に関する量の定義
- 磁力線: 磁場の様子を視覚的に表現するために導入された仮想的な線。(実際に目に見えるわけではない。)
以下の定義から,磁気力線はN(正)極から湧き出て,S(負)極に吸い込まれる。N(正)極からS(負)極への向きを持った線であるとイメージする。
- 磁荷: 単位は
(ウェーバ)
人名は「ウェーバー」と伸ばすが,単位は「ウェーバ」と伸ばさない,らしい。
磁力線の湧き出し口(または吸い込み口)。 (ウェーバ)は湧き出す(または吸い込まれる)磁力線の本数を表す単位。
もちろん の磁荷から磁力線が 本 だけ湧き出るというよりは 単位の磁力線が湧き出る, の磁荷からは の 倍の本数の磁力線が湧き出る,という相対的な本数の多い少ないを表すと考える。
どうしても書きたいときは などと書く場合もあるが,以下を読めばわかるようにほとんど直(ジカ)に磁荷(ジカ)を表記することはない。 - 磁束密度:
(ベクトル)と書く。単位は (テスラ)
磁束とは磁力線の束(たば)。ベクトル の向きが磁力線の向きを表し,その大きさ が に垂直な単位面積を貫く磁力線の本数を表す。
(ここでの「密度」とは面密度の意味。)- 参考:磁気治療器として有名(?)なピップエレキバンの商品説明でも,「エレキバン史上最大磁力の200ミリテスラ」のように磁束密度の単位
(テスラ)が使われている。また地磁気の強さについても「地磁気の強さは地球上の場所によって異なり、ほぼ 24000 nT – 66000 nT(ナノテスラ)の範囲である。」の記載がみられる。
- 参考:磁気治療器として有名(?)なピップエレキバンの商品説明でも,「エレキバン史上最大磁力の200ミリテスラ」のように磁束密度の単位
- 磁荷密度は「ゼロ」
マクスウェル方程式の (1) 式の対応で (2) 式をみると,電荷密度 にあたる「磁荷密度」の項がゼロになっていることに気づく。このことを以下のように表現する。
“磁荷” は単独では存在しない。あるいは,磁気単極子は存在しない。磁石のN(正)極,S(負)極は単独で現れることはなく,必ず対になって現れる。
棒磁石をどんなに小さく分割していっても,N極だけ・S極だけになることはない。かならずN極S極が対になって現れる。
磁荷が単独では存在しないことから,磁荷密度は(正負あるいは NS がちょうど打ち消しあって)ゼロであるし,電流や電流密度に対応する「磁流」や「磁流密度」も定義されない。
電磁場の粗密・濃淡を表すベクトルから電磁場の強弱を表すベクトルへ
: 電場ベクトル。単位は (ニュートン / クーロン)
単位電荷にはたらく力として定義され,真空の誘電率 を用いて以下のように書く。
: 磁場ベクトル。単位は (ニュートン / ウェーバ)
単位磁荷にはたらく力として定義され,真空の透磁率 を用いて以下のように書く。
電磁場を表す4つのベクトルについて
電磁場を表すのに,
電磁場の粗密・濃淡を表すベクトルと電磁場の強弱を表すベクトル
電束密度
電気力線・磁力線が密であるところ,濃いところは当然電磁場も強いであろうということから,
電場を記述する
模範解答につながるヒントとして,米を体積(1カップとか1升とか)で測るか,質量(100グラムとか 1 kg とか)で測るか,という例を出して,どうせ質量は体積に比例するんだから,体積だけを使えばいいんじゃぁない?と思うかもしれないが,米1升と大豆1升を加えても,粒の大きさが違うから体積としては2升ちょうどにはならないよね?だけど,米 1kg と大豆 1kg を足したらちょうど 2kg になるよね?だから,比例するからといってどっちかのみせず,両方必要なんだよ,という話で学生さんに納得してもらおうと思ったが,さっそく「1升」とは何かとかそういうレベルで混乱を招きそうで,なかなか手強い。
なので模範解答としては4本全部必要なのですよ,ということになるが,後述する理由により,電場については
学生時代に読んで強く影響を受けた「ファインマン物理学 III 電磁気学」では最初から徹頭徹尾この