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導関数の定義

定義

1 変数 \(x\) の関数 \(y = f(x) \) の「導関数」とは

$$ \frac{df}{dx} \equiv \lim_{h \rightarrow 0} \frac{f(x + h) -f(x)} {(x + h) -x} = \lim_{h \rightarrow 0} \frac{f(x + h) -f(x)} { h}$$

つまり,変数 \(x\) が \(x\) から \(x + h\) に変化するとき,関数 \( f(x)\) の変化分 \( f(x + h) -f(x) \) を変数 \( x\) の変化分 \( (x+h) -x = h\) で割った変化率の \(h \rightarrow 0\) の極限。

\(f(x)\) の導関数を求めることを「\(f(x)\) を微分する」という。

表記

\( y = f(x) \) の導関数の表記例:

$$ \frac{dy}{dx}, \quad y’, \quad \frac{df}{dx}, \quad f'(x), \quad \left\{f(x)\right\}’, \quad \frac{d}{dx} f(x), \mbox{etc.} \ \ \dots$$

注意:

力学等で \(x(t), y(t)\) のように変数 \(t\) の関数である場合,

$$ \frac{dx}{dt} = \dot{x}, \ \ \frac{dy}{dt} = \dot{y} $$ のように,\(\dot{\ } \) (ドット)で微分を表す。もし,\( {\ }’ \) (ダッシュ,プライム)で微分を表すと

$$ x’ = \frac{dx}{dx} = 1$$ と勘違いされるから。

高木貞治著「解析概論」によれば,記号 \(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) はライプニッツからの伝統,\(f'(x) \) はラグランジュの用例,\( \dot{x}, \dot{y} \) はニュートンの用例であると記載がある。

\( f(x) = x^2 \) を微分する。

\begin{eqnarray}
\frac{df}{dx} &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{(x + h)^2 -x^2}{h} = \lim_{h \rightarrow 0} \frac{(x^2 + 2 h x + h^2) -x^2}{h} \\
&=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{2 h x + h^2}{h} \\
&=& \lim_{h \rightarrow 0} (2 x + h) = 2 x
\end{eqnarray}