胚乳変異とデンプン結晶構造の変異

 

学生実験で確認したデンプン構造の変異をみてみましょう.正常体はアミロプラストに蓄積するデンプン結晶が各胚乳細胞に蓄積しています.細胞壁がない場合に良くみえます.ただし,突然変異原処理して得られた粉質変異体ではどうでしょう?結晶が小さくなり,かつあたちが不揃いで隙間ができていませんか.これらが光を拡散して不透明にみえているようです.変異体とそれ以外の生理障害(登熟不全)がわかりにくいようですので例を示しておきます.もちろんモチもでてきましたので,詳細をみるとやや隙間があるように見えます.

 

これは2年前に選抜したモチです.花粉でも1:1で分離するため遺伝子は1つで支配されていることが検証できます.

こちらはもちのem9以外の粉質変異体です.このように白くみえているものはデンプンの結晶構造がとれなくなった変異によるものです.詳細は電子顕微鏡の観察によりみえてきます.育種利用はやはり,アレルギーを起こさないパンなどにも利用できる米粉加工です.