7T選抜系統から得られたにごり粒(高遊離脂肪酸系統)

(左が正常,右がにごった胚乳)

 

当研究室では多収系統であり,かつ温暖化耐性の胴割れ耐性品種を開発しています.そのうち大粒の系統を利用して化学変異原により新たな形質を作出しています.変異体のうち濁り粒(DULL)として低アミロースだと推定していましたが,実は高アミロース,高脂肪酸系統であることがわかりました.

2023年春に選抜した系統を夏に水田ならびに温室で栽培して固定系統であることを確認しました.同じ穂からのみかけ正常粒では,正常体と変異体粒を含むヘテロ型もみられました.

下に示したのは当研究室が単離したM1個体(変異原処理当代)で分離した濁り粒変異です.やや1/4より少なめです.おそらくキメラ性による変異細胞の分化により穂まで形成された組織において完全なヘテロ型になっていなかったかもしれません.優性は透き通った通常のうるち米,やや白い玄米(Dullともいわれます).2023年にはこの優性型から分離する系統を選抜,さらに劣性系統からホモ型での固定をすすめて遺伝解析を行います.