オーストラリアの野生イネ調査は2008年から開始しました.野生イネは西オーストラリア北部からクイーンズランド北部にかけて生息しています.現地の野生イネ調査のため,故ブライアン・サイモンさんを尋ねたことから始まります.その当時,クイーンズランド州のハーバリウムでのイネ科の第一人者であったサイモン氏を尋ねて,標本をみせていただきました.それから採取についての基本事項を確認して専門家であり,遺伝資源収集についての現地共同研究者としてその当時サザンクロス大学のDNAラボにいたロバートヘンリー教授を紹介していただきました.
その研究室でイネを担当していたポスドクのダニエル・ウーター氏に南部で生息するオーストラリアのみみられるイネ科の植物を現地でみせていただいたのが下の写真です.彼にはおいしいオーストラリアのビールをごちそうになり北部の調査にでかけました.
現地でみられた野生イネ,Oryza rufipogon(アジアと同じ栽培イネの祖先種)が貯水地の縁に生息しています.上のカバー写真がそれを手で持っているところです.この調査を続けることで,現地の固有種であるOryza meridionalisとともに新種であるJpn2系統を見つけることができました.