アフリカにはAAゲノム種の野生イネとして
O. barthii 一年生でO. glaberrima (アフリカの栽培イネ)の祖先種として位置づけられています.アメリカの野生イネとも遺伝的に類似性が高いことは当研究室のHaoさんが論文として発表してくれました.
O. longistaminata : 多年生の野生イネでアフリカの各地にみることができます.多年生のため,種子生産量が多くないかわりに,地下茎,rhizomeを発達させて自分自身が生き残る戦略をとります.森島啓子先生(国立遺伝学研究所名誉教授)もわたしの大学院時代にはその話をよくしていました.
エチオピアではいまJICAのプロジェクトにてEhiorice IIが進められています.このプロジェクトではイネの消費量が増えているエチオピアで輸入に頼らずに自国の生産を増やすことで自給率を向上させるとりくみに力をいれています.Fogeraにイネ研究センターがあり,そこを拠点としています.同センターの研究員であるタデッサさんが当研究室の博士課程に進学され無事博士号を取得して,帰国後イネ育種をすすめています.
その時に同行した際に現地の栽培穀物であるテフ(これでインジェラを作ります)を見る機会や,O. longistaminataをみることができました.Fogeraはフルーナイルの源流であるタナ湖が拡がり,湖畔で放牧をしていたところに稲作をすすめています.ヒポポタスもいるため,ときおり街中で“暴れる”とのことでした.川の中にいましたよ.
どこにいるかわかります??
これが地下茎を作るO. longistaminataです.葯が長く他殖を好むため,このようなラテン語名になったようです.
風にたなびく長い葯.黒いのは柱頭です.外に飛び出していることから他殖を優先させることができます.
1月に訪問したため,現地は直射日光が強くても乾燥して寒い風が吹いています.大地に根を果て、茎を伸ばしている野生イネが栽培イネの栽培試験区にも侵入しています.もともとの彼らの生息地だったためです.
そのため水源にしている池にも野生イネがみられます.
エチオピアといえば・・・・コーヒー!
とてもおいしいマキアータが毎日飲めました.また,コーヒーセレモニーとして,日本の抹茶をたてるように日常的に特別ないれかたをしています.レストランでものめますし,センター内の売店でもお願いすることができました.
この小さい種子がテフです
テフで作られるインジェラ.この生地がテフでつくられています.カレー風味のスパイシーなソースで食べるインジェラの方が美味しかったですね.