1班で検出したものには今後,育種資源になりそうなものや,おかしなものがあります.
小さいものクラブ! とても小さい玄米がでてきました.これもよく気がつきました.もみすりをして籾のままのものがあったので,あけてみたところでてきたとのこと.これは明らかに発育異常を生じています.ホルモンや細胞分裂異常の可能性があります.ぜひ,育ててみて個体が矮性か,種子だけが矮性粒がみてみたいですね.正常なものと交雑して,後代検定,マッピング,遺伝子クローニングすることでその機能が分かることでしょう.
正常粒と極小
発芽後3日目の極小粒(正常に発育しています)
正常粒とコムギ様胚 発芽後,3日目では1幼鞘のみ見られます.
これは発育過程の問題で,おそらく双子胚になったのでしょう.よく気がついてくれました.胚が側面ではなく中央で,,“ヒラメ”のように表面に向いています.まるでコムギやオオムギの種子のようです.ただ,筋があり,1つの玄米が1つの籾の中で融合したようです.おそらく発芽させることで2つの苗ができるのではないでしょうか.遺伝性で双子胚の形成が3:1で分離してくれるなら面白い実験材料になります.発生遺伝学に利用できることでしょう.
こちらうらからみたところ
次はやや大きい胚です.Large-embryo(第3染色体)のように,GEとは異なりやや大きさを変更する遺伝子の影響でしょうか.
次はGypsyembryoのように胚の形成異常が生じています.変色しているため胚の形成は異常になっている可能性もあります.ヘテロ型からの遺伝解析も可能性があります.
不思議なものたち.
水玉・・・・・
なぜ??カメムシの集中アタック??
やや小さい粒もあります
班は明らかにモチ系統が選抜できました.複数粒が1つの穂から検出され,正常粒も混ざっています.7粒のモチ,33粒のウルチ,33:7=およそ3:1,ややウルチが多いようです.こちらに2/3の頻度でヘテロ型が出現することが期待されます.
みなさんのよくわからないχ2検定は・・・あとで説明します.
ウルチ モチ
分離比の説明です
これは幼苗期の変異の実際の値です.
系統 | 形質 | 分離比 |
1-1 | zebra | 8:1 |
1-6 | alb | 5:2 |
2-6 | dwarf | 5:2 |
3-6 | chl | 6:3 |
9-5 | alb | 4:2 |
11-3 | alb | 7:2 |
χ2検定:遺伝子分離は3:1なのでしょう5555
か?
自由度はn-1=データ数−1(χ2表を使用)
χ2=Σ{(期待値異―観察値i)2/期待値i}
自由度は3:1では,df=1
5%,1%水準は,χ2表から,それぞれ 3.8415,6.6349
9:3:3:1なら4項目なので,df=4−1=3
5%,1%水準はそれぞれ7.8147と11.3449
16個体なら,3:1の分離における期待分離比は12:4ですね.
17でも,99でも, 全個体数x3/4もしくは1/4で求められます.
一方,実数の分離,観察値はずれることが多いですよね.
例えば,モチの例では33:7です. 49個体では,もしかしたら30:19や40:9かもしれません.
その際に上記の式を用いて算出するのがχ2値です.過去の理論的な計算から,一定のずれがある場合に期待分離比と同じといえない,その確率が低いといえる数値です.
8班もモチ変異がありました.1つの系統に複数あります.これらは発芽させて品種育成に利用させていただきます.