2本の近接測地線から,直接測地線偏差方程式を導く。
2本の近接測地線
まず,「まっすぐな線」である測地線を2本用意する。
それぞれの世界線を
測地線方程式は
である。
特にこれら2本の測地線が近接しているとして,
とおき,微小量
一方,
(B) 式を (A) 式に代入して
このように,2本の近接した測地線方程式の引き算から,直接測地線偏差方程式が得られるわけだが,偏差ベクトル
注意事項
偏差ベクトル
「平行線の公理の破れとリーマンテンソル」で導いたように,近接した2本の測地線の接ベクトルは,偏差ベクトルを使って以下のように書かれるのであった。
手っ取り早く,この両辺をアフィンパラメータ
どちらも測地線だから,
となり,測地線偏差式が出てこない!ということになる。この論理展開はどこが悪いのであろうか?
こういう落とし穴にハマらないためには,上記のように2本の近接した測地線方程式の引き算から直接求めればモヤモヤしなくてスッキリとしてよいのであるが,一応この問題にも以下のようにして自分に納得させておいている。
まず,近接した2本の測地線の接ベクトルと偏差ベクトルとの関係(既出)を,どこの座標点におけるベクトルであるかを明らかにして書くと,
このままでは,左辺は
以下のようにして…
… とすれば,この式は左辺も右辺も同じ地点