文:蜂飼耳、絵:今井彩乃『いなかのネズミとまちのネズミ』岩崎書店

文:蜂飼耳、絵:今井彩乃『いなかのネズミとまちのネズミ』岩崎書店

 

おなじみのイソップ物語が絵本になっています。

 

いなかのネズミがまちのネズミを食事に招待しました。テーブルには、おおむぎ、こむぎ、野原の葉っぱがいっぱいに並びます。まちのネズミはちょっとかじってから言いました。「ねえ きみ。こんどはぜひぼくのところへあそびにきてください。まちにはもっといろいろなたべものがありますから。」

 

いなかのネズミがまちのネズミをたずねると、テーブルに並んでいたのは、チーズ、はちみつ、たくさんのおかし!「すごいなあ。いいなあ」いなかのネズミは驚きます。そしてチーズにかじりつこうとしたそのとき——

 

いなかとまち、それぞれの場所で繰り広げられる異なる生活。

ご馳走もいいけれど、何も恐れる必要のないのんびりとした暮らしのほうがずっとよい、いなかのネズミはそう気づいて帰っていきました。

 

※この投稿の画像は、出版社の許可を得て掲載しているものです。無断転載はご遠慮ください。

 

 

 

 

 

「0歳から大人まで みんなのコンサート」を開催しました

2月13日(木)、ヒロロ4階ホールにて、11:00に開演、1時間ほどのコンサートを行いました。
30席の倚子と12畳分のマット席がいっぱいになるほどのお客様にお越し頂きました。また、ベビーカーで来てくださった方もありました。ピアニストは、宮本香織さん。アメリカ、イギリス、ポーランド、フランスの国歌と、それらを編曲した作曲家の作品を合わせて6曲、演奏しました。こんなに和やかな雰囲気で演奏したのは初めて、とのこと。元気のいっぱいの小さなお客様はもちろん、子育てを終わった世代の方も多くご来場くださいました。

曲の合間に、作品や作曲家についてご紹介。(演奏の時間より長かったかも…)全体は大人の方に向けた解説としてお話いたしました。




コンサートのあいだ、大人の方に寛いでいただけるよう、また小さなお客様にも楽しんで頂けるように、弘前大学教育学部で音楽の教員を目指す学生が会場内でスタッフとしてお手伝いしました。

鳴り響く楽器と同じ空間で、音と振動を分かち合っていただきたい、という願いを込めて開催いたしました。多くのお客様に聴いていただき、ありがとうございました。終演後にはアンケートを通じて、たくさんのご意見を頂きました。次年度に向けてまた、楽しい音楽会を企画いたします。今後ともぜひ、ご注目ください。

文:神沢利子、絵:赤羽末吉『ねずみのすもう』偕成社

文:神沢利子、絵:赤羽末吉『ねずみのすもう』偕成社

 

むかし、たいそうびんぼうなじいさんとばあさんがおりました。―

ある日、山に柴刈りに出かけたおじいさんは、かわいい掛け声を耳にします。

「でんかしょ でんかしょ」

不思議におもったおじいさんがそっと覗いてみると、ひょろひょろのねずみとでっぷりふとったねずみが相撲をとっています。なんと、やせたねずみはおじいさんの家に住み着いていたねずみでした🐁

そのやせねずみの弱いこと!

 

かわいそうに思ったおじいさんは、家に帰るとおばあさんに話しました。

「うちのねずみがかわいそうだから、もちでもついてちからをつけてやりたいのう。」

おばあさんも賛同して、二人はついたお餅を丸めて、戸棚にいれておくことにしました。

 

おもちを見つけたやせねずみ―その後の展開は?

最後まで楽しいお話しです。

 

やせたねずみとふとったねずみのコミカルな表情、お餅をはさんで仲の良い様子がうかがえます。用意された赤い布のふんどしの流れるような描写が画面に心地よいアクセントをつけて、全体が華やいで見えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ミロコマチコ『オオカミがとぶひ』イースト・プレス

作・絵:ミロコマチコ『オオカミがとぶひ』イースト・プレス

 

 

かぜがびゅうびゅうびょうびょうふきぬけるー

「だってオオカミがかけまわっているから」

 

身のまわりでひびく音、日々の生活で生じる出来事・・・その原因が動物だったら?

 

いろいろな動物がいろいろな事柄の原因になって登場します。

自然現象や日常の出来事についての壮大で愉快な解釈がおもしろい!

 

ミロコマチコの壮大なスケールの挿絵から目が離せません。

 

※この投稿の画像は、出版社の許可を得て掲載しているものです。無断転載はご遠慮ください。

「絵本と絵画の鑑賞会+ワークショップ」vol. 2 、できあがった作品です!(日本画)

午後のワークショップでできあがった作品です。

色の重なりがきれいで、いきいきとして見えます。

 

野菜やフルーツかたちがいきいきとした墨の線で描かれています。色の重なりや組み合わせも素敵です。

とても面白い表情をもった作品に仕上がりました!黄色の地に、墨の線と濃い緑の色彩がとても映えていて、力強い作品です。

 

繊細なレモンの絵。透明感があって、日本画らしい表情が出ています。

 

 

カラスです!その他の鳥や虫たちも加わって、元気で楽しい絵になりました。青がきれいに出ています。

 

こちらもカラスです。色を重ねていく工程で、どんどん表情が変化していきました。

 

 

かわいらしい招き猫。色が重なっていくと、表情がより明るくなっていきます。

 

 

黄色の重なりが美しい檸檬の図。色彩を重ねる工程て丁寧に行われていて、印象的な作品に仕上がりました。

 

 

かもです。形と模様がのびのびとした墨の線でおおらかに描かれてます。羽毛の微妙な色遣い、背景の色の組み合わせ・・・全体として、印象に残る絵になりました!

きれいな色の孔雀。色もですが、なんといっても線がいきています!

たくさん描いてくれました!

 

保護者の方々の作品も見応えあります。

日本のイメージが広がる作品です。提灯の色に深みがあって、目をひきます。

かわいらしい雪兎。あたたかい心持になるやわらかい作品。

 

赤系の色味が印象的な作品です。敢えて残した白地に線と色彩が映えて味わいのある仕上がりになりました。

 

迫力のある鳥たち

力強い鴉です。よく見ると、羽毛が微妙な色の重なりを示していて、きれいです。背景の色とよく調和しています。

羽毛の重なり具合が繊細に表現されている鴛鴦です。背景の緑がとてもみずみずしく、鴛鴦のどっしりとした存在感を引き立てています。

 

本当にすてきな、たくさんの作品が出来上がりました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絵本と絵画の鑑賞会+ワークショップ」vol. 2 、できあがった作品です!(墨絵)

 

午前の墨絵から

カメさん。濃い墨と薄い墨のコントラストがうまく出ていました。にじみもきれいです。

紙を二枚つないで、大きな作品になりました!新幹線と富士山が大迫力。

画面からはみ出しそうな勢いです。太い墨線が存在感を発揮しています!

 

 

にわとりが卵を産んでいます。かわいらしい作品。

 

格子模様のかすれた墨線、水玉のにじみ・・・絵柄もおもしろいですが、墨の表情がいろいろ出ているところも見ていて飽きません。

春・夏・秋・冬を描いています。それぞれに季節の表情があらわれていて素敵な作品です。夏の魚がユーモラスに見えます。

《鳥獣戯画》を意識して描いてくれました。線の勢いがよく、いきいきとした作品になりました!

長澤芦雪の《虎図》からインスピレーションを得た作品。爪の表情がおもしろいです。

 

『かさじぞう』の一コマ。墨がにじむ雪の表情、太く強い線で描かれたかさじぞうたち・・・幻想的な雪景色になりました。

 

墨のにじみや濃さを上手に使って描いたかわいらしい作品です。お母さんと女の子かな?ほっこりした気分になります。

 

 

ほかにもまだまだ、おもしろい作品ができました!

午後の作品は次の投稿で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絵本と絵画の鑑賞会+ワークショップ」vol. 2 開催しました。当日午後の様子です。

日本画の描き方について、日本画を学ぶ大学院生から説明を受けました。

 

鳥の剥製や、果物、野菜などを見て、スケッチをして墨で輪郭線を描いたり、明暗をつけたりした上に、色を重ねて仕上げていきます。

 

みなさん、それぞれ集中して描いていました。

 

 

気に入った顔料を膠で溶いて、自分用の絵具づくりもしてみました。

 

 

後片付けまで楽しそうにお手伝いしてくれました!

 

できあがった作品は次の投稿で紹介します☆

 

 

「絵本と絵画の鑑賞会+ワークショップ」vol. 2 を開催しました!

当日は、まず、ひろだい保育園の神先生やボランティアで協力してくださった高橋さんに、雪と動物をテーマにした絵本の読み聞かせをしていただきました。

そのあと、弘前大学教育学部で日本画の授業を担当されている蝦名先生と一緒に、墨や日本画の顔料を使った絵画作品を鑑賞し、絵画制作のワークショップを開催しました。墨絵は難しいかも・・・、と思っていたのですが、そんなことはなく、自分ですった墨などを筆にとって、たくさんの作品が生み出されていきました。

午後のワークショップでは、日本画の画材を使って、さまざまな色を重ねたり、野菜や果物、鳥の剥製を観察しながら絵にしていったりと、それぞれに魅力的な作品がたくさんできあがりました!

 

神先生、高橋さん、そして蝦名先生、ご協力いただきありがとうございました!

 

当日のお写真です。

 

絵本のおはなし会の様子。絵本の世界に入り込んでいきそうになります。

おはなし会(午前)の様子

 

おはなし会(午前)の様子

 

おはなし会(午後)の様子

 

 

午前の部では、スライドを使った作品紹介のあとで、蝦名先生と一緒に平安時代の絵巻物の《鳥獣戯画》(実物大複製)を鑑賞しました。みんな、興味津々の様子で、いろいろな動物の姿を見て楽しそうでした。

 

 

午後は、スライドを使って伊藤若冲の屏風絵の紹介をしながら、日本画の絵具の重なり具合について見て見たり、ユーモラスな動物の姿を確認したりしました。

 

 

ワークショップでは、お子さまも保護者の方々もそれぞれ制作にうちこまれていました。

午前中のワークショップの様子です。

まずは、硯で墨をすりました。

 

このあと、水墨画用の和紙に絵を描いていきます。みんなすんなりと描き始めました!

大胆な絵も、細やかな絵も、どの絵も一生懸命に描いた素敵な作品です

 

 

 

 

 

 

保護者の方々は、「上げ写し法」という方法を教えていただきながら、《鳥獣戯画》の複写にも挑戦しました!

 

 

できあがった作品と午後のワークショップの様子は、また次回の投稿で—

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絵本と絵画の鑑賞会+ワークショップ」 vol.3の参加受付、日曜日12:00開始です(午前・午後とも先着24名様まで)!

午前・午後とも定員に達しましたので、お申込みを締め切らさせていただきます。

たくさんのお申込み、ありがとうございました!

動物をテーマにした絵本のおはなし会と、筆ペンと固形絵具や水性色鉛筆を使った挿絵制作に挑戦するワークショップを行います。参加無料です。

 

対象は、

午前の部(10:00‐12:00)は、幼稚園・保育園~小学校低学年のお子さまと保護者の方々

午後の部(13:30‐16:00)は、小学生全般と保護者の方々

 

です。お子さまの年齢と参加時間帯の組み合わせについてはご相談に応じますので、お気軽にお問合せください。

ワークショップには保護者の方も参加できます。

また、ワークショップの途中退出も可能です。

 

ぜひ、お気軽にお申し込みください!

 

 

 

 

 

0歳から大人まで みんなのミニコンサートを開催しました

2020年2月1日(土)14:20~14:45、ヒロロ3階イベントスペースにて、関脩之介さんによる電子ピアノで、「みんなのミニコンサート」を開催しました。およそ60名ほどの方が集まって下さいました。
 
1曲目は、ブラジル国歌。サッカーの試合ではよく聞こえてきますね。行進曲風で勇ましく、おぼえやすいメロディーですが、他の国に比べて長いのが特徴です。

 伴奏のパートはバイエル Ferdinand Bayer (1806-1863)。ピアノを習い始めるときに弾いた、という方も多いことでしょう。実は、ショパンやリストと同じ時代のドイツの作曲家で、有名なピアノ教師でした。誰もが楽しんで弾けるように、いろいろな国の国歌をピアノ用にアレンジしています。
関さんの演奏は、溌剌として打楽器の響きまで聞こえてきそうな左手の和音に、細やかな右手の旋律がまるで歌声のように流れ、ブラジル国歌の斉唱を聴くようでした。

2曲目は、ポーランド国歌。歌詞は「ポーランドはいまだ滅びず」と歌い、大国の狭間でなんども存亡の危機をくぐり抜けてきた歴史が垣間見えます。もとは、ドンブロフスキ将軍に従う抵抗軍の軍歌で、マズルカのリズムを用いているので、「ドンブロフスキのマズルカ」とも呼ばれています。
 ショパンFrederic Chopin (1810-1849) は、ポーランドから亡命してパリに住んでいましたが、故国を忘れたことはありませんでした。ショパンがこの歌の最初の8小節に伴奏をつけた楽譜のメモが残っています。その続きに、後世の人がショパン風の伴奏を書き加えて仕上げました。
この曲も行進曲風には違いないのですが、関さんはショパンらしい軽やかな和音を繊細にしなやかに仕上げ、柔らかい小品に仕上げてくれました。

3曲目は、フランス国歌。「マルセイユの強者ども(ラ・マルセイエーズ)」とも呼ばれる、フランス革命期の歌が現在のフランス国歌です。勇ましい行進曲のリズムに、元気の出る明るく力強い旋律は、いちど聴いたら忘れられません。
 リストFranz Liszt (1811-1886) は、とても手の大きなピアニストで、人並み外れたテクニックをもっていました。この曲は、自分の演奏会で華麗な指さばきを披露するために作られたもの。
 今回使用した電子ピアノは、普通のピアノと同じだけの幅と数がありましたが、関さんのダイナミックな演奏はまるで楽器からはみ出さんばかりでした。一番前で見ていてくれた小さなお客様たちも、そのテクニックにびっくりしているようでした。