動物たちの住む森に雪が降ってきました。
だんだんと白くなっていく世界ーー動物たちはどうするのでしょうか。
そして人間の子どもたちは?
みずみずしく色鮮やかな水彩の世界が広がります。
※この投稿の画像は、出版社の許可を得て掲載しているものです。無断転載はご遠慮ください。
動物たちの住む森に雪が降ってきました。
だんだんと白くなっていく世界ーー動物たちはどうするのでしょうか。
そして人間の子どもたちは?
みずみずしく色鮮やかな水彩の世界が広がります。
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年越しを前にしたおじいさんとおばあさん。おじいさんはあみがさを五つこしらえて町へ売りに行きます。年越し市は大賑わい。誰もおじいさんのあみがさには見向きもしません。
帰り道、おじいさんは、ふかふかと降る雪の中で鼻からつららを垂らす六体の地蔵さまに出会います。すかさず五つのあみがさがそして自分のあみがさをお地蔵さまにかぶせるおじいさん。
家に帰って眠りについたあとの正月の明け方、「よういさ、よういさ、よういさな」というそりひきのかけ声でおじいさんとおばあさんは目を覚まします。さてそのあとの展開はーー
おなじみの『かさじぞう』の民話。
白い雪の風景が暖かみのある墨のおおらかな線で描かれています。薄い墨の滲みと濃い墨の線、ところどころに差し込まれた青や緑や赤や黄色。
瀬田貞二のよどみのない口調を、赤羽末吉の挿絵がゆったりと包み込んでいます。
1961年初版。
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リュウキュウコノハズク、アオウミガメ、イリオモテヤマネコ、クマゲラ、ホッキョクグマなどなどー絶滅危惧種の動物たち―それぞれの動物にすてきなメロディと詩がつけられています。ー動物たちの音楽が静かに流れていくようです。動物たちには、一つずつ音楽用語が当てられていて、そこから詩が始まります。
黒地に浮かぶ色彩が美しい挿絵です。
小さな絵本とともにメロディをのせたCD(日本アコースティックレコーズ)と楽譜(音楽之友社)も発売されています。
ささやきかけてくるような、小さな宝石箱のような音と絵と詩のコラボレーション。
poco a poco アートのたまごの「ポコ・ア・ポコ」も音楽のための言葉。
「すこしずつ すこしずつ」、一枚一枚木の葉を運ぶエゾナキウサギのように、ゆっくりとではありますが、活動を続けていきたいと思います。
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2月8日については午前・午後、双方とも定員に達しました。
たくさんのお申し込み、ありがとうございました!
※2月29日(土)の「絵本と絵画の鑑賞会+ワークショップ」(@ヒロロ3階「多世代交流室1」)については、2月9日(日)12:00から受付開始です。
とき
令和2年2月8日(土)
午前:10:00‐12:00(墨絵に挑戦!)
午後:13:30‐16:00(日本画の画材に挑戦!)
ばしょ
弘前文化センター3階 工作実習室
対象
午前・午後とも、幼稚園/保育園から小学校高学年までのお子さまと保護者の方々。
ワークショップには保護者の方も参加できます!
前半は「雪」と「動物」をテーマにした絵本のおはなし会と関連する絵画の鑑賞会、後半はワークショップを行います。
普段はあまり使う機会がないかもしれない墨や日本画の顔料で絵を描いてみませんか?
※午前・午後とも先着16名様まで。
当ウェブサイト、申込専用フォームで受付いたします。
はじめて雪を目にしたきつねの子は、朝目をさますと「あっ」とさけんで母さんぎつねに駆け寄ります。「かあちゃん、目になにかささった、ぬいてちょうだい、早く早く。」母さんぎつねはびっくりしますが、外の出て分かりました。夜のうちに雪がどっさり降って、その上からおひさまがキラキラしていたので、雪がまぶしく反射していたのです。
はじめての雪に喜ぶ子ぎつね。早速遊びに出かけます。ところが帰ってくると、手が冷たいことに気づきました。「おかあちゃん、おててがつめたい、おててがちんちんする。」母さんぎつねは、夜になったら町に行って、ぼうやに似合うような毛糸の手ぶくろを買ってやろうと思いました。
ところが、母さんぎつねは以前お百姓の家のあひるを盗もうとして、見つかって、命からがら逃げてきたことを思い出し、どうしても町の方に足を進めることができません。しかたなく、子ぎつねを1人で町まで行かせることになりました。
心配する母さんぎつね、町で人のやさしさに触れた子ぎつね――
新美南吉の『手ぶくろを買いに』が、どいかやによるあたたかな挿絵で素敵な絵本になりました。
白と黒のモノクロームを基調とした夜の雪景色に、淡くやさしい色が温かみを添えています。
いつ読んでも切なくなる冬の絵本。
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とらの子のとらこが成長していく様子がとにかくかわいい!
はじめはおかあさんのうしろでおそるおそるまわりを見ていたとらこ。
ちょうちょをつかまえることもできなかったとらこ。
それでもあるとき、ようやく・・・!!!
でもやっぱり最後につかまえるのは——
きくちちきの筆が自由奔放なようでいてコントロールされています。少し薄い墨で描かれた輪郭線とみずみずしく広がる水彩絵具の色・色・色。黄色の装丁も効果的です。
とらこの姿は、かわいらしい一方で、長沢蘆雪の《虎図》をも彷彿とさせます。
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遅ればせながら、今年は子年ということで――
風の子フーとひめねずみのお話です。
暗い冬の空のもと、風の子フーは「さむさむさむ・・・・・・」と震えています。なにかあたたかくなるものはないかな、と探していたところ、目にとまったのは家の窓からチラッとのぞいたオレンジ色の炎でした。ストーブです。次の日、「くまストーブ店」にやってきたフーは、たくさんのストーブの中から、ガラスでできた美しいストーブを選んで買いました。そのストーブは、もようのついたあついガラスでできていて、ともされた火が外がわからわずかに見えるようになっています。
フーはストーブをぶらさげて、暗い森の中に入ると、黄色い油をストーブに入れて、マッチをすりました。その火はストーブにぼあっとうつりました。フーはしずかに燃えるストーブにあたりながら眠ってしまいます。
すると、カサリ!という音がして、風の子ははっと目をさましました。ストーブの向こうにいたのは、小さくて足の短いひめねずみでした。ひめねずみも寒かったのです。「さむいんなら、少しあたっていってもいいよ」とフーはひめねずみにすすめます。二人は話し出しました。するとひめねずみは、ストーブにやかんをかければお茶がのめること、そしておなべをかければごちそうが作れることを提案します。やっと友達ができたフー。それから、フーとひめねずみはいっしょに暮らしはじめました。
いく日かすぎた頃、お客さんが空からやってきます。それはオーロラという名前の風の子でした。彼女は遠い日のくれない国からやってきたと言います。オーロラの話を聞きながら、「日のくれない国」に好奇心を抱いていくフー。
フーとひめねずみの暮らしに変化の時がやってきます。
フーは長い旅の果てにふたたび森に戻ります。すっかり大人になったフー。森のストーブとひめねずみはどのようになっていたのでしょうか。――大人になることが少し切なくなる、静かに染みていくお話です。
降矢ななによる挿絵が、物語の包み込むようなあたたかさと、そして一抹の寂しさとを、美しく繊細に描き出しています。はっとするような美しい色彩が、ページ毎に目の前に広がります。
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日本の昔話と言えば『ももたろう』を真っ先に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
桃から生まれた桃太郎が、元気に大きくなって、犬と猿と雉をお供に、お姫様をさらった鬼を退治しに鬼が島へーいつから知っていたのか覚えていないくらいよく知っているはずの物語。改めて読んでみてもやはり面白いと思います。
つんぶく かんぶく つんぶく かんぶく 流れてくる桃、
あっちゃむらで 米をとり、こっちゃむらで 塩をとった鬼、
言葉のひびきやリズミカルな並びも心地よく、楽しく感じます。
どのページにも美しい挿絵が付されています。赤羽末吉の挿絵の中でも際立って色彩が鮮やかな絵本です!キラキラとまぶしい黄色、深く赤味がかった紺色、じんわりとさしこんでくる朱赤、ページの上下にひかれた淡くやわらかい曙色や緑色。昔話絵本の色彩のイメージが覆されるようです。
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国宝の《鳥獣戯画》が幼児向け絵本になっています。平安時代のモノクロームの墨線で描かれた動物たちはユニークで、ほんとうに生き生きしています。楽しい絵にやさしいお話がつきました。
うさぎがおさるのおぼうさんに、おそなえものをしています。おそなえものにされているのは、はたして?
文字のない《鳥獣戯画》。実際にはどのような会話が想定されていたのでしょうか?
ストーリーを想像するのも絵を見る楽しみの一つ。
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おなじみの「かちかちやま」。印象に残るのは機知に富んだ兎の行動で、さわやかな読後感すらあるような気がします。
表情豊かな動物の動きがユーモラスで目が離せない一方、昔日の日本の美しい風景描写にため息が出ます。鎌倉や室町時代の絵巻物にあるような遠景から捉えられた野山の描写、鳥獣戯画を連想させる動物たちーとはいえ、絵本ならではの勢いのある躍動感が魅力でもあります。ここでもまた、赤羽末吉の筆が冴えています。
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