作:マリー・ホール・エッツ&アウロラ・ラバスティダ、画:マリー・ホール・エッツ、訳:田辺五十鈴『セシのポサダの日 クリスマスまであと九日』冨山房

作:マリー・ホール・エッツ&アウロラ・ラバスティダ、画:マリー・ホール・エッツ『セシのポサダの日 クリスマスまであと九日』冨山房

 

 

クリスマスが近づいてきました。

 

メキシコでは、クリスマス前の九日間、毎晩どこかの家で「ポサダ」と呼ばれるパーティーが開かれるそうです。そこでは、ピニャタという、中に粘土でできた壺の入った動物や星のかたちのハリコがロープに吊るされます。そこには、色とりどりのお菓子が入っていて、ポサダにやってきた子どもたちは、目隠しをしてこのハリコの入れ物を割って遊ぶのです。

 

この絵本では、幼稚園に通い出した女の子セシが、はじめて自分のポサダを開いてもらうことになった時のおはなしが語られています。彼女は、はじめて出かけたクリスマスマーケットで、星のかたちをしたピニャタに出会いました。

待ちに待ったセシのポサダの晩――、彼女はピニャタが割られてしまうのが悲しくてたまりません。セシのピニャタの星はどうなってしまうのでしょうか。

 

ポサダを楽しみにするかわいらしいセシの様子が、鮮やかな色彩がところどころリズミカルに配された鉛筆画で描き出されています。クリスマスの賑わいを前にした小さな女の子のワクワクす気もちが伝わります。お母さんとクリスマスマーケットに向かう時のうれしそうな後ろ姿、ピニャタの星が割られてしまうことを悲しがる様子、そして、大事にしているお人形のガビナとともに空の星を見あげる一生懸命な表情など、小さな女の子セシがなんとも愛らしく微笑ましい。