再話:エステル・ブライヤー/ジャニィ・ニコル、訳:おびかゆうこ、絵:こみねゆら『もみの木のねがい』福音館書店

再話:エステル・ブライヤー/ジャニィ・ニコル、訳:おびかゆうこ、絵:こみねゆら『もみの木のねがい』福音館書店

 

大きな森にたつ小さなもみの木は、自分の葉っぱが針みたいにちくちく尖っていることが悲しくて大粒の涙をこぼします。そこに妖精が現れて、もみの木の願いを聞き出します。「わたしがねがいをかなえてあげるわ!」と言うと、妖精ははねをふるわせながら、「フルフル、パパンッ!」と手をたたきました。するともみの木の葉っぱはみるみるうちにやわらかくなって・・・。

 

もみの木は妖精の力で何度かその葉っぱを変えていくのですが、そのたびに、葉っぱは食べらてしまったり、摘みとられてしまったり。そうしてもみの木は、ちくちくする自分の葉っぱがどんなによいものだったかということに気づくのでした。そんなもみの木に、妖精は最後の魔法をかけて、その姿をもとに戻します。

 

クリスマスが近づくなか、ちくちくとがった固い葉っぱに覆われたもみの木は、その後――

 

こみねゆらの繊細でやさしい挿絵が、やわらかく暖かい読後感をもらします。