クリスマス・イブになりました。
草はらのかこいの中でくらす「ちいさなろば」はひとりぼっちです。
かこいの中をのぞいた女の子たちが言いました。「おやすみ、ろばさん」「あたしたち、いそいでうちへかえるところ。ベッドにくつしたをつるさなくちゃならないから。」
この時、ろばははじめて、女の子たちからクリスマス・イブの夜にプレゼントを届けるサンタ・クロースのことを聞きました。
その日の夜、ろばの目の前に現れたのはなんとそのサンタ・クロースでした!
そりをひくトナカイのうちの一頭が足を痛めてしまったために困っていたサンタ・クロースは、ロバを見て、代わりにそりを引いてくれないかと頼みます。こうしてロバは、子どもたちにプレゼントをくばるサンタ・クロースの手伝いをすることになりました。・・・
「おまえには、なにかいいプレゼントをやらなくてはならないな」と言うサンタにロバは「ともだちをください」と頼みました。次の日の朝、ロバのもとにあらわれたのは・・・
やわらかな水彩画のタッチが物語のあたたかさと「ちいさなろば」の可愛らしさを引き立てています。
赤色の表紙とちいさなろばを描くほっそりとした的確な黒の輪郭線が印象的。裏表紙の工夫にも脱帽です。