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たなか鮎子『クリスマスマーケットのふしぎなよる』講談社
ドイツのクリスマスマーケットを思わせる絵本です。
ヨハンがはじめてクリスマスマーケットのでかけた日のふしぎな出来事――
クリスマスマーケットにはたくさんのお見せが並んでいます。
ガラスでできたオーナメントのお店、カッコウ時計のお店、ジンジャークッキーのお店・・・
そんななかヨハンの耳にひそひそと話す声が聞こえてきました。話していたのは、くるみ割り人形と金色にかがやくお星さま。このお星さま、北風に吹かれて、マーケットの大きなツリーのてっぺんから落っこちてしまったのです。ヨハンはお星さまをもといた場所に戻すお手伝いを買って出ます。
マーケットに立つ時計台の王様の知恵と、それぞれのお店にならぶガラスの天使や時計の鳥、ジンジャークッキーのお人形たちの手助けで、ヨハンはクリスマスツリーのてっぺんにお星さまを戻そうと奮闘します。ツリーのてっぺんにたどりつきそうになった時、そこにいたのは北風でした。・・・
このあとに続く北風とヨハンの対話に注目です。
雪降るクリスマスマーケットを照らすお店のあかり、きらきらと光るクリスマスツリーのオーナメント・・・可愛らしくも大胆で、おしゃれな挿絵が、ヨーロッパのクリスマスの風景をあざやかに描き出しています。
ヨーロッパにのこるさまざまな童話や寓話のエッセンスが詰まった一冊。