森のおくの大きな木の下のほうにある枝でひっそりと時をすごしていたブルー。
空を飛ぶことも、歌をうたうことも忘れてしまっていました。
そこに現れたのがイエローです。
イエローが歌うと周りのものが明るく輝きだします。木々の枝も芽吹きだします。
ある時イエローは、森の奥の木の下のほうにひそむブルーの姿に気づきました。
一日一日と下のほうにある枝に移りながら、だんだんとブルーに近づいていくイエロー。
イエローの歌は、ブルーのまわりの世界を、そしてブルー自身を変えていきます。
・・・やがて、『ブルーがはばたくとき』が来ました!
ページをめくる毎に美しい森の情景が広がります。
黒いシルエットで描かれていた森の木々が、イエローの魔法のような歌声でだんだんと色づいていきます。イエローから広がる金色の光りがだんだんと森を照らし始めます。まるで、ブリッタ・テッケントラップの魔法にかかったかのように、森は美しく輝きだします。版画などのさまざまな技法を駆使して重層的な情景を暖かく生みだした魅力的な挿絵です。あざやかなブルーとイエローの小鳥の色が目に鮮やかな印象を残します。
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