2020年2月1日(土)14:20~14:45、ヒロロ3階イベントスペースにて、関脩之介さんによる電子ピアノで、「みんなのミニコンサート」を開催しました。およそ60名ほどの方が集まって下さいました。
1曲目は、ブラジル国歌。サッカーの試合ではよく聞こえてきますね。行進曲風で勇ましく、おぼえやすいメロディーですが、他の国に比べて長いのが特徴です。
伴奏のパートはバイエル Ferdinand Bayer (1806-1863)。ピアノを習い始めるときに弾いた、という方も多いことでしょう。実は、ショパンやリストと同じ時代のドイツの作曲家で、有名なピアノ教師でした。誰もが楽しんで弾けるように、いろいろな国の国歌をピアノ用にアレンジしています。
関さんの演奏は、溌剌として打楽器の響きまで聞こえてきそうな左手の和音に、細やかな右手の旋律がまるで歌声のように流れ、ブラジル国歌の斉唱を聴くようでした。
2曲目は、ポーランド国歌。歌詞は「ポーランドはいまだ滅びず」と歌い、大国の狭間でなんども存亡の危機をくぐり抜けてきた歴史が垣間見えます。もとは、ドンブロフスキ将軍に従う抵抗軍の軍歌で、マズルカのリズムを用いているので、「ドンブロフスキのマズルカ」とも呼ばれています。
ショパンFrederic Chopin (1810-1849) は、ポーランドから亡命してパリに住んでいましたが、故国を忘れたことはありませんでした。ショパンがこの歌の最初の8小節に伴奏をつけた楽譜のメモが残っています。その続きに、後世の人がショパン風の伴奏を書き加えて仕上げました。
この曲も行進曲風には違いないのですが、関さんはショパンらしい軽やかな和音を繊細にしなやかに仕上げ、柔らかい小品に仕上げてくれました。
3曲目は、フランス国歌。「マルセイユの強者ども(ラ・マルセイエーズ)」とも呼ばれる、フランス革命期の歌が現在のフランス国歌です。勇ましい行進曲のリズムに、元気の出る明るく力強い旋律は、いちど聴いたら忘れられません。
リストFranz Liszt (1811-1886) は、とても手の大きなピアニストで、人並み外れたテクニックをもっていました。この曲は、自分の演奏会で華麗な指さばきを披露するために作られたもの。
今回使用した電子ピアノは、普通のピアノと同じだけの幅と数がありましたが、関さんのダイナミックな演奏はまるで楽器からはみ出さんばかりでした。一番前で見ていてくれた小さなお客様たちも、そのテクニックにびっくりしているようでした。