今から10年前の2010年5月11日,理工学部2号館で火事がありました.
発生時
5月11日13時40分頃,理工学部2号館1階の物理学実験室(0103)から発火したようです.授業時間ではありましたが,その実験室には誰もいませんでした.いろんなところから消火器をかき集めて消火にあたり,その甲斐あって初期消火で鎮火した模様です.火災報知器が作動して2号館にいた人々(1号館も?)がみんな屋外に避難してきましたが,幸いにして人的な被害はありませんでした.
私は当時の記録によると2号館1階の階段あたりで避難の誘導をしていたそうです(直前の消防避難訓練でそれを担当していたのでしょう).以下,その時の感想文です.
- 2号館1階で火災が発生しているのに,避難で1階まで降りてくるのはよくないような気がした.2階から1号館に誘導すべきだったか.
- 避難訓練では,本部が設けられて,避難終了後にその報告をしに行ったけど,今回はどこに報告すればいいのかわからず(本部らしきものが見つからなかった).ずいぶん探し回ったけど偉い人が見つからなかった(当時の事務長が初期消火の前線にいたらしい).
- そもそもどの時点で避難終了とすればいいのかがわかっていない.人が途切れたら…でいいのかな?
消防車もやってきたはずですが,避難体制の解除とかそういうものも行われず(私の周辺に届かなかっただけか?),避難してきた人々がなし崩し的に戻っていったのが印象的でした.
原因など
理工学部2号館中庭にはフーコー振り子が展示されています.その制御装置が火元であると認められたようです.
フーコー振り子そのものは2008年に設置されていますが,2010年には振幅補償などを行う制御装置が導入されました.その制御装置は中庭に隣接する物理学実験室に設置されましたが,設計上の問題点があったらしく,設置から1か月ほど経ったこのタイミングで火を噴くことになりました.とはいえ,もしこれが1週間ほど早ければ連休中で誰にも気付かれず,被害は大きくなっていたことでしょう(タイマー制御されており土曜日や日曜日は動きませんが,祝日までは制御されていないでしょう)し,学生実験の最中であればケガ人が発生したかもしれません.
火災の影響(または大量に撒かれた消火剤の影響)で,この実験室での学生実験はしばらく実施できなくなってしまいました.また消火器を10本くらい使ったこともあり,実験室の清掃がこれまた大仕事でした.消火剤をゴミ袋一杯に詰めると,ゴミ袋が破れそうなほど重いので注意しましょう.
フーコー振り子の制御装置も改良版が納入されました.それ以降は当該装置による火災は発生していません.
いま一度確かめる
弘前大学には,地震・火災・盗難・感染症 対応マニュアルというものがあり,公開されています(公式サイトだとリスクマネジメントのページにあります).特に地震や火災が発生した場合のフローチャートは,目につくところにあるといいでしょう.ここでは特に火災発生時のポイントをまとめておきます.
- 火災を見つけたら,まずは周りに知らせる.
- 初期消火に成功した場合でも必ず担当部局に通知する.
- 炎が人の背より高くなったら避難する.