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Return to 重力場中の光の伝播

太陽重力による光の「曲がり角」

太陽の表面すれすれをかすめてやってくる光は,太陽重力によってどれくらい曲げられるか?

衝突パラメータ b を太陽半径 R として光の「曲がり角
α=4GMRc2 は角度にすれば何秒になるか。

Maxima-Jupyter での計算例


太陽の表面すれすれをかすめてやってくる光は,太陽重力によってどれくらい曲げられるか?

衝突パラメータ b を太陽半径 R として光の「曲がり角」
α=4GMRc2 は角度にすれば何秒になるか。

In [1]:
alpha = alpha: 4*G*M/(R * c**2);
Out[1]:
(%o1)α=4GMRc2
In [2]:
/* 万有引力定数 */
G: 6.674E-11$
/* 太陽質量 */
M: 1.9891E30$
/* 太陽半径 */
R: 6.9551E8$
/* 光速 */
c: 299792458$
In [3]:
alpha = ev(alpha);
Out[3]:
(%o6)4GMRc2=8.494895222001688×106

ラジアンを秒になおす。

In [4]:
fpprintprec: 3$
print(float(ev(alpha) /%pi * 180 * 60 * 60), "秒角")$
1.75 秒角

Python で光の曲がり角の計算

太陽の表面すれすれをかすめてやってくる光は,太陽重力によってどれくらい曲げられるか?衝突パラメータ b を太陽半径 R として光の「曲がり角」

α=4GMc2R

は角度にすれば何秒になるか。

モジュールの import

In [1]:
# 円周率とかを使いたいので
import numpy as np
In [2]:
# 万有引力定数 
G = 6.674E-11
# 太陽質量  
M = 1.9891E30
# 太陽半径  
R = 6.9551E8
# 光速  
c = 299792458
In [3]:
alpha = 4*G*M/(c**2 * R)
alpha
Out[3]:
8.49489522200169e-06

ラジアンを角度秒になおす。

In [4]:
print("α = %.2f 秒角" % (alpha/np.pi*180*60*60))
α = 1.75 秒角

日食時の観測ではどこの角度を観測しているのか?

曲がり角 α そのものは観測量ではない。(観測者のいる地点での量ではないから。)では,日食時の観測では,どの角度を観測して一般相対性論の予言と一致した!と言っているのであろうか?

考え方としては,以下の図のようになる。(角度は大げさになってます。)

まず,太陽重力による影響を受けない場合,遠方の星がある方向 P に見えたとする。

日食時は,太陽が遠方の星の手前に来て,本来ならば星からの光は遮られて見えないことになるが,太陽重力による光の曲がりによって,あたかも方向 Q にあるように見える。

 

方向 P と方向 Q の角度差 θ が実際の観測から得られる角度である。上図のように,地球から太陽までの距離にくらべて,遠方の星が十分遠くにあれば,ほぼ(平行線の同位角は等しいということから)
θα

としてよい。したがって,一般相対論の予言である α の値を観測によって検証できることになる。