スペクトル

概要

分光器を使って、さまざまな光源に対する光のスペクトルを観測します。また、波長が既知である光源を用いて、分光器の波長目盛りの較正を行います。

装置と方法

分光器は、島津理化のKB-2を使用しています。定性的にスペクトルを観測できるのはもちろんですが、波長目盛りがついており、ある程度定量的に波長を求めることもできます。

光源は(科目によりますが)、Hgランプ(水銀ランプ)、Cdランプ(カドミウムランプ)、白熱電球、蛍光灯などを使っています。ランプによって線スペクトルが見られるものと連続スペクトルが見られるものがあります。それらの違いはどこから来ているのかを考えるのが考察のメインテーマになるのでしょう。

また検量線のようなものを使って、波長目盛りの較正(calibration)を行います。分光器の波長目盛り自体は不等間隔なのですが、検量線はほぼ直線になるようです。

ちょっと蛇足っぽくなっていますが、光学フィルターの効果測定も行います。光学フィルターを通した光を分光器に導入することで、どの波長域がカットされるかを記録するというものです。

コメント

光や色といった、非常に身近なものを扱っていることもあり、比較的人気の高い実験題目ではないかと思います(定量的にガッツリした実験題目を好む学生には、ある意味で物足りないかもしれませんが)。ただし、光源によるスペクトルの差異をきちんと考えさせようとすると、かなり深いところまで踏み込まないといけなくなります(原子物理学とか、原子の結合とか)。

注意として、最近の眼鏡にはブルーライトをカットする仕様のものがあり、それを着用していると短波長側のスペクトルが見づらくなるという現象が生じるようです。逆に言うと,その眼鏡がブルーライトをカットする効果があると確認できるということですね(※健康面への影響が確認できる、とは言っていません)。

実験テーマを用意する側の目線では、白熱電球やHgランプといった今後入手が困難になりそうな光源に依存しているあたりに危うさを感じています。