インプレーン極点測定トライアル

インプレーン極点測定を試してみました.

装置添付のSi001単結晶試料を用いて,{224}面の極点測定をしてみました.
{224}面のブラッグ角は44.02°です(もちろんCuKa線に対して,ですね).{224}面はz軸に垂直な結晶面(≒試料表面)に対する角度が35.26°のものと65.91°のものがあります.極点測定のαで表すと,それぞれ54.74°,24.09°ですね.今回は時間がないので,αがその2つに近い値をとるところだけで測定しました.

Si001の224極点測定の結果

(極点図は強い順に赤>黄>緑>青.上が β=0° で反時計回りに進む.2つのドーナツは別個の測定なので,同じ色でも強度が異なる.)

Si001の224極点測定のβスキャン

一応,極点測定と呼べるデータはとれました.ただ,対称な回折ピーク間の強度差が大きいですね.特に内側の α=54.74° のピークは,この極点図からは2つしか確認できません.また,外側のピーク(α=24.09°)についても強度差がありますが,強くなるβの位置が内側と正反対なのも気になります(03/08追記:この「正反対」は,内側はピーク位置より大きいαでスキャンしたのに対して内側はピーク位置より小さいαでスキャンしたことが影響していると思いました).

これらの症状が,インプレーン極点測定だから生じたものなのか,単に試料の性質や位置調整(不足)の結果なのかを見極める必要がありますね.次回は時間をとれるときにしっかり測定してみましょう.

測定に際しての設定項目は,インプレーン軸を使わない極点測定と同様でした.ただし2θの予備測定はインプレーン軸を想定していない動作しかしないようですので,実質的に機能しないようです.シャープなピークをもつ試料の測定に際しては,予め別の方法で2θを合わせる必要があるかもしれません.