新年度(2019年度;本サイトでは西暦主義を採用します)のシラバスが公開されています.さっそく覗いてみましょう.
新項目
前年度までのシラバスにはなかったはずの項目があります.特に気になったのは,(12)難易度(レベル) と (13)対応するCP/DP の2つです.
まずは難易度(レベル)について見ていきます.学部の科目では,レベルが1から4まであるようです.教養/専門基礎/専門/卒業研究,といったイメージでしょうか.私が担当する科目を見てみると,基礎物理学実験の科目はレベル2に設定されています.それ以外の実験科目ではレベル3に設定されているものもあります.それらの科目では,基礎物理学実験で身につけた技術をもとにして,さらに上級の技術を習得するということになるのでしょう.
大学院の科目については,見た限り全てレベル5が設定されています.総合科目とか特別講義とかはそれ以外の講義と差をつけてもいいような印象を受けましたが,そのようにする実質的な意義がないのでしょうか.そのあたりの立ち位置はこれから変わっていくのかもしれません.
続いて対応するCP/DPです.これは学部の科目にだけ表示されていて,「1 見通す力」「2 解決する力」「3 学び続ける」の3種類があるようです.よくわかりませんが,弘前大学の三つの方針と関係しているのでしょうか.
そして,(14)授業としての具体的到達目標 の各項目がどのCP/DPに対応しているのかが明示されています.例として,地球環境防災学科の基礎物理学実験から引用します.
- 実験で観察された現象と,その奥にある基本的な物理法則を理解します(見通す力)
- 計測機器の操作方法やレポートの書き方を身につけます(解決する力)
- 実験を通して自分の目で確かめることで,机上で学んできた物理学の法則・現象に対する理解を深めます(解決する力)
- 物理計測に必要な技術を身につけます(解決する力)
4つの目標のうち,最初の1つが「1 見通す力」,他の3つが「2 解決する力」に対応しているということです.逆に4つの具体的な目標から,それぞれのCP/DPの具体的な中身が見えてくるかもしれません.
この「具体的到達目標」は,基礎物理学実験でも科目によって違いがあって面白いのですが,その比較はまた別の記事で行うことにします.