15 反復測定分散分析

Rコマンダーで反復測定分散分析

Rコマンダーでは反復測定分散分析は行えません(2元配置分散分析とは異なります).
反復測定分散分析を行うためには,既存のパッケージもあります.しかし本書では,井関龍太氏が無料配布している,anovakun(ANOVA君)という関数(パッケージではない)を活用します.
準備が多少面倒なのですが,いちど設定してしまえば,あとは作業が簡単ですので,ぜひ設定してみて下さい.
なお,作業が複雑すぎて行えない,という方は,下部分にある改変Rコマンダーをダウンロードすれば,全て設定されています

ANOVA君の加工

井関龍太氏が配布しているANOVA君は,反復測定分散分析の関数としては,かなり精度が高いものと評価します.計算のもととなった根拠も,ご自身のホームページで提供されています.

提供されている,anovakunをそのまま使用してもよいのですが,英語で出力されますので,なかなか読めないという方のために,以下では+αとして,多少ANOVA君を加工してます(計算式自体は一切加工してませんが,出力の一部,日本語表示も追加しています).

もちろん,そのまま使用してもらっても結果が英語表記であるという点の違いだけで,出力内容は変わりません.実際に手順を追って説明します.
ご本人に承諾を得ています.

ANOVA関数のインストール

方法は2つあります.(1)井関龍太氏のANOVA君という関数anovakun)を読み込むか,(2)ここで配布している,ANOVA君の日本語追加版をインストールするかです.
 書籍では,(2)ANOVA君の日本語追加版をインストールする前提で説明(Windows版に最適)していますので,その方法でインストール方法を説明します.

★注意
1.Mac OSの方は,上記の(1)anovakunの方法で読み込んでください.
2.クリックしてダウンロードしたテキストファイルの全文をコピーして,コマンドラインをマウスでクリックしてからペーストします.下記③以降の作業は同じです.
本書では(2)ANOVA君の日本語追加版をインストールする前提で説明(Windows版に最適)していますので,その方法でインストール方法を説明します.

①Rを起動します.RGuiのコマンドラインを使用します.

②以下のクリックからテキストファイルをダウンロードしてください.クリック後の画面,上方のやや左寄りに「↓ダウンロード」があります.これは,著者がANOVA君を改変したものです.
R4.0.0以降(2021年以降のR)の場合(最新版ver489)

 

★R4.0.0以前の場合(ver484)

 

★注意
このファイルに関する加工について井関氏は一切関与しておりませんので,意見・質問等は本ホームページ管理者宛でお願いします.また,論文等で使用する際には,本ページで配布している関数を使用したと記載して下さい(ANOVA君の名称は使えません).
※表示が文字化けすることがありますが,ブラウザ上で見ずに,ファイルをダウンロードして,txtファイルを開いてください.

 

③ダウンロードしたファイルを開くと,たくさんのコマンドが書かれています.この文章全てを,RGuiのコマンドラインにコピー&ペーストします.ファイルを読み込むコマンドもあるのですが,操作ミスを防ぐため初心者用に多少手間がかかる確実な方法で説明します.
関数が表示されているページの文章中,どこでもよいのでカーソルを置きます(文章中どこでもいいのでクリックします).

④その後,Ctrlキー + Aキーを同時に押します.文章をすべて選択できるはずです.

⑤選択したら,マウスで右クリック,コピーします(全文コピー).

RGuiの赤いコマンドライン( >| と表示されているところ)をクリックします.

⑦その後,右クリック,ペーストを選びます(全文ペースト).少しの間,フリーズスしたかのように無反応となりますが,しばらく何もせずに見ててください.

⑧しばらくすると,コマンドが勝手に入力されていきます.これは先ほどクリックしたファイルの中身が貼りつけられている状態です.長ければ10分ぐらいかかるかもしれませんが,動いているうちは何もせず見ててください

⑨入力が終了すると,赤いコマンドライン( >| )表示になります.

これで準備終了です.

R終了時に「作業スペースを保存しますか?」に対して「はい」を選んで終われば,それ以降は以上のコピー&ペースト作業は不要となります.
再インストール時等には,改めてコピー&ペーストして下さい.

ANOVA関数を用いたRコマンダーによる反復測定分散分析の手順

①本文を読んで作業を進めてください.
②ここには,本書で紹介した,コマンドを記述します.ここのコマンド(赤字行)をマウスで範囲指定して右クリックコピーし,コマンドラインに貼り付けると入力の手間が省けます
③データ名は”第15章”ですか?もし第15章なら,
以下,

x<-names(第15章)
anovakun(第15章,”sA”,反復測定=x,s2r=T,auto = T,peta = T,cipair = T)

を,RコマンダーのRスクリプト(RGuiではない)に貼り付けてください.反復測定分散分析が実行されます.
結果の見かたは,本書を参考にしてください.

追加)
データ名が,”Dataset”であれば,

x<-names(Dataset)
anovakun(Dataset,”sA”,反復測定=x,s2r=T,auto = T,peta = T,cipair = T)

となります.

Shapiro-Wilkの検定:全てのデータを一度に済ます方法

 Shapiro-Wilkの検定を全列に対して一度に行います.また検定の繰り返しになるので,検定結果pに対してHolmの修正を行います.データは,反復測定の変数のみで構成されているものとします.
データ名は”第15章”とします.
以下,

pair.shapiro(第15章)

を貼り付け実行します.別のデータ名なら,“第15章”を書き換えれば解析可能です.
※上記,ANOVA関数の貼り付け作業を事前に行っていることが前提です.

Friedmanの検定後の多重比較法

 Holmの修正によるWilcoxonの符号付順位検定を行います.Wilcoxonの符号付順位検定を繰り返し行って検定結果pに対してHolmの修正を行います.理屈は上記のShapiro-Wilkの検定と同様です.
データは,反復測定の変数のみで構成されているものとします.
データ名は”第15章”とします.
以下,

holm.test(第15章)

を貼り付け実行します.別のデータ名なら,“第15章”を書き換えれば解析可能です.
※上記,ANOVA関数の貼り付け作業を事前に行っていることが前提です.

エラーバーグラフの描画

 エラーバーを描くためのRスクリプトを載せます.

データ名は”第15章”とします.
以下,

errorbar(第15章)

を貼り付け実行します.別のデータ名なら,“第15章”を書き換えれば描画可能です.
※上記,ANOVA関数の貼り付け作業を事前に行っていることが前提です.

ANOVA関数の保存

 上記作業後のRの終了時に,RGuiで終了し,『作業スペースを保存しますか?』の問いに必ず「はい」で終了してください.

改変Rコマンダーで解析する場合(上記作業ができない,行いたくない方

改変Rコマンダーをダウンロード,インストールしておいてください.
こちらの資料を参考に操作してください.上記全ての手順がメニュー操作のみで行えます.
※例題が異なっていますので,変数名が違います.操作のみを参考にしてください.

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