私が担当しているオージェ電子分光装置の概要を紹介します.
機種・構成
機種は日本電子のフィールドエミッションオージェマイクロプローブJAMP-9500Fです.
- 電界放出型の電子銃を備えており,最小で8nm径の領域に対して分析できます.
- 同心半球型アナライザ(HSA)を備えています.2500eVまでの放出電子を検出することができます.
- 反射EELS(電子エネルギー損失分光)のような使い方も可能です.
- イオン銃を備えており,表面のエッチングや帯電の中和をすることができます.
- 反射電子検出器が装備されています.COMPO像やTOPO像を観察することができます.
- 試料ホルダは,12mm径のものと20mm径のものを備えています.
ただし外周にネジがあるので,試料サイズは15mm径ぐらいが限度だと思います.(有効径が20mmでした.)他に断面観察用ホルダもあります. - ピーク分離のためのソフトウェア,ならびに標準ピークデータがインストールされています.
- 広域マップ分析(ミリメートル単位の領域をステージスキャンでマッピングする)が可能です.
- 試料冷却破断装置が装備されています.(私は使ったことがありませんが….)
位置付け
本装置は,弘前大学の共用機器基盤センターに所属しています.つまり,弘前大学の教職員や学生はもちろんのこと,それ以外の人(自然人,法人)も所定の手続きに従うことで本装置を使用できます.(青森県内でこのように開放されているオージェ電子分光装置は,他にないと思います.)