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国際昆虫学会2024

8/25-30で国際昆虫学会に参加してきました。

私はシンポジウムで昆虫カロテノイドの発表をし、修士学生の渡邉君はポスター発表でハラビロカマキリの発表をしました。

英語の発表の時は私も相当準備しますし、それなりに緊張するのですが、驚いたのは小中高校生たちが英語で自分たちの研究成果を説明していたことです。

研究活動に取り組んで成果を得ているだけでも立派なのに、英語で世界に向けて発信するのは本当に素晴らしい。。

また、事前に、発表を聞きにきてくださいと個人的に連絡が数件きて、私はそういったことはしたことがないので尊敬します。

つくば在住の高校生のT君は私も知り合いなのですが、海外の著名な研究者に話しかけ、自分の研究にアドバイスをもらおうと頑張っていました。

将来、とんでもない大物になりそうな気がします。。

 

私自身も、いろんな方と交流できてよかったなという感じです。

それなりに頑張って論文をたくさん書いてきて、それを読んでくださっている方々がいると実感できるだけでも大変嬉しいし光栄です。

台風10号が接近中だったので、学会が大混乱に陥るのでは無いかと心配だったのですが、思ったより影響は少なくよかったです。

↓ 学生時代の後輩の志清さんがいました。なつかしい。

 

↓ 発表の様子。小さめの会場でちょうどよかった。

岩手とトンボ(渡辺修二さんの調査)

岩手県あたりの地域で、かつてトンボの成虫を子供たちが食べていたという話があります。

以前、それに関する取材依頼があり、幼少期を山形で過ごした安藤名誉教授に話を伺いました。

子どもの頃、どういう昆虫を食べていたかや、当時の食べ物に対する空気感などを教えていただきました。

ちなみに、私が生まれ育った福岡県の筑後地方では、私の祖父母の代ですら昆虫を食べていたという話はほとんど聞きません。

食に関しては人間は保守的なので、何を食べるか食べないかの選択はローカルに決められているのだと思います。

まあ、そんなことを考えつつ、個人的な所感などを伝え、その時の取材の件が新聞の記事になりました。

*私はただ一言二言コメントしているだけです。文化としての専門性はありません。すみません。。

共同通信社さんの取材なので、各地方紙に転載される形だと思います。

潔癖の都会暮らしの人は気持ち悪いと思うかもしれませんが、田舎育ちだと自然に受け入れられる話なのではないかなと思います。

堆肥作成の実験中(かぐやひめ)

堆肥作成の比較実験のために、「かぐやひめ」という装置を用いて発酵をモニタリングしています。

 

この装置は、ポンプで下から空気を入れ、断熱構造になっている内部の温度をモニタリングできる仕組みです。

土壌肥料学が専門の青山先生と藤田先生に協力してもらい、「かぐやひめ」を貸してもらって実施しています。

 

「昆虫学と堆肥作成って何か関係あるの?」と思われるかもしれませんが、これが無関係とは言えないのですよ。

まだ内緒ですが、色々とプロジェクトを進めています。

 

学生の頃に、「「虫屋は何でも屋」と昔から言われているように、蚕学以外にいろんな分野をカバーできるようにならんといかん」と先輩から言われた記憶があるのですが(私は養蚕学出身なのです)、最近は業務上、多くの研究領域にまたがって実験するようになっています。

ただこの「虫屋は何でも屋」という格言を聞いたのは、人生でこの時が最初で最期なのですよね。。

本当に一般的な言葉なのかな?

2024年オープンキャンパス

本日は大学のオープンキャンパスが開催されました。

当研究室は、バッタとカマキリの餌やりを体験してもらうという企画をおこないました。

昆虫に興味がある生徒さんにたくさん来場してもらって、大変良かったです。

 

当研究室に所属するには、「生物学科」ではなく、「食料資源学科」を受験する必要があります。

「昆虫の研究をしたいけれども、生物学全般を学びたい!」という生徒さんには、受験の段階で難しい判断を迫ることになってしまいます。

昆虫学は農学と生物学のどちらもカバー範囲で(一部、分子生命も)、私は農学に重きを置く学科の方に所属しています。

大変心苦しいですが、しかたないですね。。すみません。

喜界島にてライトトラップ

7月21日〜7月24日は、再び喜界島に出張しました。

今回は、白神センターの博士学生の富永くんと、当研究室の渡邉くんが同行してくれました。

こんな感じでライトトラップで昆虫採集をしました。

*各採集地点で、役場・自治会・土地の所有法人などの許可を得て実施しています。

ライトトラップの際には、関係企業に所属する方々が親子連れでいらっしゃるなどしたため、富永くんの昆虫解説がおこなわれました。

いろんなプロジェクトで、渡邉くんを連れ回してしまっていますが、今回の採集を経て、弘前大・学生の生き物採り御三家、廣田竜王、森井名人、富永王位全員とコラボ採集したことになります。

おめでたいなと思っていたら、実はまだ有力者がいて、御三家ではなく四天王だったようです。そのうちその学生ともコラボしないといけないですね。

 

さて、今回も喜界島のいくつかの地点を回りましたが、どこに行ってもトノサマバッタが多数いました。

成虫、老齢幼虫、中齢幼虫、若齢幼虫とどのステージのものも多くみられたため、多化性なのでしょうね。

しかし、これまでの喜界島訪問でこれほど多くのトノサマバッタを見かけることはなかったように思います。

緑よりも茶色のバッタがとても多かったです。

上の写真のように、アルビノのように白い個体がたくさんいたし、黒い個体もいました。

*黒い個体は群生相バッタだと間違えられることが多いですが、孤独相バッタです。群生相バッタの色は黒ではありません。

 

ピンクの直翅もちゃんといました。

 

樹木が傷つけられて樹液が出ていましたが、サイカブトの仕業かな?

 

今回の出張でも、色々と進展がありました。

バッタの話@朝の番組

バッタの体色に関する取材があったので、環境の制御について色々と話しました。

TBSテレビのTHE TIME, で放送される(た?)そうです。

この分野の研究は、社会の役に立たない研究だと思われがちなので、需要があるのは嬉しいことですね。

しかし、現在は大学でも、「社会にインパクトを与えます!」と言いづらい系の研究をやりにくくなっていると実感することが多々あります。

 

一方で、昆虫学の研究が、専門性が深くなり一般の人が全く理解できない研究ばかりになってしまうのは、社会還元的な面でどうなのだろうという問題意識もあります。

素朴な疑問に向き合う系の研究も必要ですよね。

バッタの色@陸奥新報

青森県内でもピンクのバッタが見つかったという話があり、取材に答えました。

2024.6.22の陸奥新報に掲載されています。

「遺伝子に変異が入って、通常とは異なる色になっているんですよね?」

みたいな問い合わせが色々なところからあるため、おそらくそうではなくて、環境に対する応答反応の一種ではないかという見解を述べています。

専門用語を使うと、ホモクローミーのような現象ですね。

 

しかし、新聞にはこういった日々のほのぼのニュースがあるとよいですよね。

同日の本紙にはマツムシの話も載っていて、良い感じでした。

親子体験学習のイベント

表題のイベント、今年度も協力しました。6/15(土)

出張から戻ってきた日の翌日、急速に喉の調子が悪くなり、あっという間に体温は39℃オーバーに。。

二日後に本イベントが控えていたため、どうしようかと焦りました。

しかし、当研究室の学生さんたちの助けがあり、なんとか昆虫採集を実施することができ、よかったです。

みなさん、ボランティアでやっている取り組みなので、無理なくできたらよいですね。

2024年度最初の喜界島

今年度も喜界島のプロジェクトを続けており、6/9-12の間出張していました。

今回は、オオゴマダラを紹介します。

成虫も優雅なのですが、蛹も黄金でかっこいいです。

写真は羽化直前の蛹と羽化直後の成虫です。

ご覧あそばせ。

 

 

ピンクの幼虫はピンクの成虫に。。

先日のピンク幼虫は無事羽化して、ピンク成虫になったようです。(山梨県での出来事)

以下、WEB記事になりました。

https://www.nhk.or.jp/kofu/lreport/article/001/17/

 

エノコログサはピンク色の部位があるケースがあるので、意外と隠蔽的に紛れることができるのかもしれません。

 

追伸: 5時台と6時台のおはよう日本でも少し取り上げられるようです。