採集したカマキリはバッタを使って育てています。
育てていると、飼育ボックスの中に不思議な黒い物体が突如として出現します。フンにしてはカマキリの体に対して大きすぎます。
よく見るとなんだか特殊な構造をしているようです。
突如として、隔離された空間に現れた物体。異次元から現れたのでしょうか。
小松左京の小説が頭をよぎります。
しかし、顕微鏡でもう少し拡大したり、解剖したりすると昆虫の蛹だということがわかります。
おそらくこれは、カマキリヤドリバエの蛹だと思われます。
安藤先生の「カマキリに学ぶ」という著書によると、幼虫の状態でカマキリの体から脱出して、すぐに蛹になる寄生バエのようです。
確かに、この蛹が出現したカマキリの体には傷がありました。
そして、採集してきた幼虫から結構出現します。
採集したカマキリの半分近くはこのハエに寄生されているようです。
ただし、このヤドリバエが脱出したカマキリは絶命することなく、今の所元気にバッタを食べています。
それらのカマキリはちゃんと羽化して次世代を残せるのか気になりますね。