附属学校園では、一昨年12月に校是「結び紡ぐ」(⇐クリック)を制定し、幼児児童生徒が自らの価値に基づいて自律的に判断、行動しつつ、多様性を受容しながら新たな価値観を醸成し得る教育を目指すこととしました。この校是制定の背景には、多様性を尊重し価値を共有する「共生社会」の実現があります。
本校では、「地域に開かれた学校づくり」を学校経営の重点に掲げ、これまで、スポーツ庁委託事業によるスポーツ活動や、造形活動をはじめとする表現力を高める教育、キャリア教育の一環として地域での清掃活動や喫茶サービス、地域の学校との交流及び共同学習等に取り組んできました。
このような取組は、本校の教育目標であります「子どもたちの積極的な社会参加」や、「共生社会」の実現を目指した附属学校園の校是とも密接につながるものであり、今後も大学や関係機関と連携しながら「地域に開かれた学校づくり」を推進してまいりたいと考えています。
なお、スポーツ庁の委託事業につきましては、今年度も「障害者スポーツ推進プロジェクト」の指定を受けたところであり、今後も引き続き、大学や地域総合型スポーツクラブ等と連携しながら、障害者スポーツやインクルーシブスポーツの拡充に向けた環境整備に取り組んでまいります。
また、本校は弘前大学教育学部の附属学校として、在籍する児童生徒の学びと成長を保障する場であるとともに、大学の教育と研究の場としての使命も担っています。弘前大学では、教育行政機関と教育・医学連携による教育課題解決に向けた取組を進めており、附属学校園においては大学の方針の下、特に「健康教育」と「インクルーシブ教育」の推進に向け、協同で実践研究に取り組んできました。この中で、本校では『「こころ」と「からだ」の健康を主体的に考える子供の育成』をテーマとした全校研究に取り組み、このほど4年間の成果をまとめた研究紀要を刊行したところです。また、インクルーシブ教育システムの構築を目指した取組としましては、附属小中学校との合同授業や地域の高校とのスポーツ交流を計画的に進めるとともに、附属小学校内に開設している特別支援教室(ぴあルーム)と連携し、附属校園に在籍する幼児児童生徒や保護者に対する支援も行っております。
一方で、昨今のGIGAスクール構想やコロナ禍における多様な学習ニーズに対応するため、タブレット端末の授業活用のほか、バーチャルリアリティ(VR)ゴーグルを使った疑似体験、オンラインによる交流学習や授業など、情報通信技術(ICT)を活用した教育活動にも全校体制で取り組んでいます。
本校では、これまでの取組を継続しつつ、今後も児童生徒の自立と社会参加に向けた教育活動の充実に努めてまいりますので、皆様のご理解とご協力を、よろしくお願いいたします。
令和4年4月 校長 川村 泰弘