研究概要

・水質や大気の環境浄化を指向した光触媒の開発

・カーボンニュートラルに貢献する水分解水素生成光触媒の開発

当研究室では、上記の研究を中心とした光化学・材料化学・応用化学を行っております

 

透明な酸化チタン(TiO2)ゾルに金属イオン(Cr、Pt、Coなど)をドープし、UV-Vis-NIR吸収スペクトルを測定した結果、各金属イオンに由来される吸収ピークを確認できたことから、金属イオンをドープした透明なTiO2ゾルの合成に成功した。あいちシンクロトロン光センターのBL5S1のビームラインを用いたX線吸収端近傍構造測定(XANES)を行うことで、TiO2ゾルにドープしたPtイオンの原子価状態を調査した。Pt-TiO2ゾルは紫外光照射前後のいずれも11563 eV付近に吸収ピークが出現したが、紫外光照射後のピーク強度は大きく減少した(図1)。したがって、紫外光照射前のPt-TiO2ゾル中のPtの大部分はPt(IV)状態、紫外光照射後は、ほぼPt(0)状態で存在することがわかった。この結果から、水に均一分散したTiO2ゾルにおいて、粉末と同様なXANES測定によってドープした金属イオンの原子価状態が確認できることがわかった。約0.12 MのTiO2ゾルに、犠牲剤として硝酸銀を添加し、紫外光を照射したところ、約0.8 μmol h-1の酸素生成に成功した。2.0 atom%のCoイオンを助触媒として、TiO2にドープしたところ、約1.7 μmol h-1を記録した。さらに、Cr-Pt-TiO2ゾルにメタノールを共存させ、可視光(λ = 430 nm)を照射することで、水素の生成を確認できた。粉末のCr-Pt-TiO2と比較してCr-Pt-TiO2ゾルは、光散乱が抑制された結果、水素発生の初期速度に対する光触媒活性を約2倍向上させることに成功した。TiO2ゾル、Co-TiO2ゾル、Cr-Pt-TiO₂ゾルのいずれも光照射後でも透明性を維持した。
本研究は公益財団法人JKAの助成を受けて実施しました。深く感謝申し上げます。