受託研究・共同研究募集

当研究室では、バイオセーフティーレベル(BSL)3およびBSL2実験室が稼働中であり、これらの施設を活用した共同研究や受託研究の機会を提供しています。さらに、当研究室で独自に開発した技術を活用した共同研究プロジェクトについても積極的に募集しております。

抗ウイルス増殖活性の測定

当研究室では、in vitro培養細胞を用いて、以下に示すさまざまな病原体の感染実験を実施できる体制を整えております。また、非自立増殖型組換えウイルスや、レプリコンシステムもあります。これらを用いて、化合物や天然抽出物に含まれる物質が病原体の増殖を抑制する効果を検証することが可能です。その他、必要に応じて病原体を新たに入手し解析することも可能です。

BSL3で扱うウイルス(自立増殖型生ウイルス)

  • 新型コロナウイルスSevere acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2)

BSL2で扱うウイルス(自立増殖型生ウイルス)

  • ヒトコロナウイルス OC43株 Human Coronavirus OC43  strain
  • ヒトコロナウイルス 229E株 Human Coronavirus 229E  strain
  • A型インフルエンザウイルスPR8株 Influenza virus H1N1 PR8 strain
  • デングウイルス 2型 NGC株 Dengue Virus NGC strain
  • 日本脳炎ウイルス AT31株 Japanese Encephalitis Virus AT31 strain
  • エンテロウイルス 71 C7/Osaka 株 Enterovirus 71 C7/Osaka 
  • コクサッキーウイルスB3 Nancy株 Coxsackievirus B3 Nancy strain
  • ヒトアデノウイルス5型 Human Adenovirus type 5
  • 麻疹ウイルス Measles Virus Edmonston strain
  • ヒトパルボウイルスB19 Human Parvovirus B19
  • 単純ヘルペスウイルスI型 Herpes Simplex Virus type I

非自立増殖型組換えウイルス

  • ヒト免疫不全ウイルス NL43株 Human Immunodeficiency Virus type I

高感度レポーターレプリコンシステム(細胞内ウイルスゲノム複製を評価するシステム)

  • 日本脳炎ウイルス
  • デングウイルス 2型
  • エンテロウイルス 71
  • コクサッキーウイルスB3
  • シンドビスウイルス

超高感度プロテアーゼ活性測定法を用いた解析

蛋白質の部分分解は、蛋白質切断酵素(プロテアーゼ)によって実行され、細胞内のさまざまなシグナル伝達や細胞の活性化において非常に重要な役割を果たしています。さらに、この活性は多くのウイルスの増殖に不可欠であり、ヒト免疫不全ウイルスや新型コロナウイルスなどへの抗ウイルス薬のターゲットとなっています。私たちはこれまでに、細胞内のプロテアーゼ活性を高感度かつ簡便に定量するセンサーを開発してきました。これらのセンサーは従来の蛍光蛋白質ベースのセンサーと比較して、約500倍の感度を示すため、これまで検出できなかった多くの活性を測定することが可能となりました。また、高感度であるため、ハイスループット解析にも適しています。プロテアーゼセンサーの設計からアッセイまで、幅広いニーズに対応いたします。

Arakawa, M., Yoshida, A., Okamura, S., Ebina, H., Morita, E. A highly sensitive NanoLuc-based protease biosensor for detecting apoptosis and SARS-CoV-2 infection. Sci Rep. 2023 13(1)1753. Doi: 10.1038/s41598-023-28984-4

超高感度タンパク質相互作用定量解析

プルダウンアッセイによる蛋白質の相互作用解析は、ウエスタンブロットなどの検出手法を必要とします。しかし、ウエスタンブロット法は検出感度と定量性に制約があることが一般的です。この問題に対処するために、超高感度で共沈降した蛋白質を定量的に検出できる手法を開発しました。これにより、小規模なアッセイによるハイスループット解析にも適用することが可能となりました。さらに、精製した蛋白質を用いたin vitro解析だけでなく、細胞内でのin vivo環境での複雑な蛋白質複合体の解析や微細な蛋白質間の結合力の違いを定量的に調べることができるようになりました。我々は多種多様なベクターやノウハウを提供することが可能です。興味をお持ちの方はぜひお気軽にお問い合わせください。

Arakawa, M., Morita, E. Protein Pull-down Assay Using HiBiT-tag-dependent Luciferase Activity Measurement. Bioprotocol. 2023 13(6) e4640. DOI: 10.21769/BioProtoc.4640

連絡先

弘前大学 農学生命科学部 分子生命科学科 細胞分子生物学分野

〒036-8561青森県弘前市文京町3 電話番号0172-39-3586

森田英嗣 moritae@hirosaki-u.ac.jp

竹浪愛   ai0407@hirosaki-u.ac.jp